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ウクライナ、国内でのSMR建設に向けホルテック社に続きニュースケール社とも覚書

2020年2月19日

©ニュースケール社

 ウクライナの国立原子力放射線安全科学技術センター(SSTC NRS)は2月14日、国内で米ニュースケール・パワー社製の小型モジュール炉(SMR)「ニュースケール・パワー・モジュール(NPM)」(=断面図)を建設・運転する際の規制上、設計上の課題を評価するため、同社と了解覚書を締結したと発表した。

 覚書の調印式は今年1月、ニュースケール社の事務所があるオレゴン州コーバリスで行われており、これには両者の代表者に加えて米国務省やエネルギー省(DOE)、ウクライナの国家原子力規制検査庁(SNRIU)の代表者らが参加した。
 ウクライナはすでに2018年3月、国内で米ホルテック・インターナショナル社製SMRの建設計画を進めつつ同技術の一部国産化を目指すため、ウクライナの原子力発電公社(エネルゴアトム社)がホルテック社との協力覚書に調印。2019年1月には、これらにSSTC NRSを交えた3者が国際企業連合を正式に結成し、国内でSMRの建設計画を促進している。
 ただし、ホルテック社のSMRは今の所、米国内の設計認証(DC)手続が正式に始まっていない。これに対してニュースケール社製のSMRは、米原子力規制委員会(NRC)がSMRに関して唯一実施している全6段階の設計認証審査のフェーズ4まで終了。すでにカナダやヨルダン、チェコ、ルーマニアで同社製SMRの建設可能性調査に関する覚書が結ばれているほか、2020年代半ばには米国初のSMRとしてDOE傘下のアイダホ国立研究所内での運転開始が見込まれている。

 今回の覚書によりSSTC NRSは具体的に、米国で行われているニュースケール社製SMRのDC審査経験に基づき、ウクライナの建設・運転許認可プロセスにおける米国との隔たりについて分析・調査を実施する。SSTC NRSはウクライナでSNRIUが新たな原子力技術を審査・承認する際、主要アドバイザーとして機能している。SNRIUが原子力安全の基準や規制・規則に対するコンプライアンスを確認し、データ分析や報告を行うにあたり、独立の立場の評価結果や技術的助言をSNRIUに提示していることから、SSTC NRSは同覚書を通じてSMR技術がウクライナのエネルギー需要を満たす上でどれほど有効であるかなど、関連する様々な疑問に答える一助になると指摘。評価結果をSMRの許認可プロセスに統合して、国内での将来的な建設につなげたいと述べた。
 ニュースケール社も「SSTC NRSは経験豊富かつ評判の高い科学技術支援組織」と評価した上で、「当社のSMR技術をウクライナの将来エネルギーに組み込む最良の方法を探し出してくれるはずだ」とコメント。ウクライナとの覚書は、同社がSMR技術の開発リーダーであるとともに技術革新企業であることを示しており、今後も潜在的顧客となり得る世界中の組織と同様の合意を得るべく協議を続けていきたいとしている。

 (参照資料:ニュースケール社SSTC NRS(ウクライナ語)の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの2月17日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)