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仏国で建設中のEPR、フラマンビル3号機で温態機能試験が完了

2020年2月20日

©EDF

 仏国すべての商業炉を運転・管理するフランス電力(EDF)は2月18日、同国初の欧州加圧水型炉(EPR)として2007年12月から建設中のフラマンビル原子力発電所3号機(PWR、163万kW)(FL3)で温態機能(ホット)試験が完了したと発表した。
 同国で最も新しいシボー2号機のホット試験が行われて以降、20年以上が経過しているため、EDFは社内とパートナー企業から1千名以上の職員を動員した。燃料を装荷する前に冷却系や安全システムが設計通りに機能しているか1万件以上の設計基準について試験を実施したところ、達成率は95%を越えていたと強調。EDFの担当理事は、「このような良好な結果が得られたことに満足しており、EPR建設プロジェクトにおける決定的な一歩になった」と評価している。

 同炉は国内で初めて第3世代の最新設計を採用したことから、土木エンジニアリング作業の見直しや福島第一原子力発電所事故にともなう包括的安全評価の実施などで、当初2012年に予定していた完成は再三にわたり繰り延べられた。また、2015年にアレバ社(当時)傘下のクルーゾー・フォルジュ社が製造した原子炉容器で構造組成に異常のあることが判明。2018年には主蒸気配管の溶接部で品質上の欠陥が認められ、仏原子力安全規制当局(ASN)は昨年6月、FL3の運転を開始する前に溶接部の修理を終えるよう命じていた。
 これらの対応により、EDFの最新スケジュールでは2022年末にFL3に燃料を装荷する予定。運転開始は2023年にずれ込むと予想されている。

 FL3の冷態機能試験は2018年1月に完了しており、2019年9月からは高温高圧に対する1次系の健全性等を確認するため温態機能試験が開始された。EDFの発表によると、その多くが初めて行う操作だったが、通常運転時の条件の再現で1次系冷却水の温度303度Cと圧力154バールを達成したほか、2次系を使って1次系を冷却。蒸気発生器の起動や停電試験、タービンを毎分1,500回転させる試験も実施したという。
 これらの試験を通じて、FL3では偶発的な事象や事故が発生した場合でも機器が適切に機能することが確認されたとEDFは指摘。そのような状況下で、発電所の職員が原子炉を安全に運転する能力も確認できたとしている。

 (参照資料:EDFの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの2月18日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)