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米ピーチボトム2、3号機に規制委が2回目の運転期間延長を承認、米国で2件目

2020年3月9日

©エクセロン社

 米原子力規制委員会(NRC)は3月6日、ペンシルベニア州のピーチボトム原子力発電所2、3号機(各118.2万kWのBWR)(=写真)でそれぞれ2回目の運転期間延長20年間を認め、運転開始以降の通算では2号機が1973年9月から2053年8月まで、3号機は1974年8月から2054年7月までとなる、各80年間稼働することを許可すると発表した。
 NRCは昨年12月、米国では初となる「2回目の運転期間延長」をフロリダ州のターキーポイント3、4号機(各76万kWのPWR)で承認しており、今回のピーチボトムは2件目。これらに続いて、NRCはサリー1、2号機(各87.5万kWのPWR)の申請についても審査中であるほか、今年10月から12月までにノースアナ1、2号機(99.8万kWと99.4万kWのPWR)で、また2021年10月以降はオコニー1~3号機(1、2号機は88.7万kWのPWR、3号機は89.3万kWのPWR)で、事業者が現行で許されている60年間の運転に追加で20年間、期間延長を申請する見通しだとしている。

 米国では運転開始当初の商業炉の認可運転期間は40年だが、これは技術的な制限ではなく経済性と独占禁止の観点によるもの。40年間稼働することにより、原子力発電所では電気料金を通じて費用の回収が完了するとされており、減価償却の観点から議会がこの期限を定めた。最初の40年が経過するのに備えて、希望する事業者は追加の運転期間を20年ずつNRCに申請することになっており、NRCはすでに約100基の商業炉のうち94基(このうち6基は早期閉鎖済み)に対して40年プラス20年の運転継続を承認。米国では今や、合計60年の稼働が一般的となっている。

 ピーチボトム2、3号機はそれぞれ、2013年と2014年に最初の運転期間延長20年が認められており、事業者のエクセロン・ジェネレーション社は2018年7月に両炉で2回目の運転期間延長をNRCに申請した。同社のB.ハンソン最高原子力責任者は、過去7年間に実施した広範なアップグレードにより、両炉では安全かつ信頼性と効率性の高い運転継続が可能になったと紹介。出力を約12%向上させるために新しい機器と技術に相当額の投資を行っており、具体的には低圧と高圧両方のタービン、蒸気乾燥機、主発電機や変圧器で取り替えや機能向上を行ったことを明らかにした。
 同氏は一方で、「原子力発電所を運転し続けていくには今後も継続的に収益を上げていかなければならない」と明言。原子力が提供する「炭素排出量ゼロ」という恩恵が環境や経済、信頼性の側面から高く評価されるよう、政策的な改革を推し進めることが重要だとした。ピーチボトム発電所が2054年まで稼働すれば、そのクリーン・エネルギーによって5億3,600万トン以上のCO2排出が抑えられるが、これは毎年330万台の自動車を34年にわたって削減したのと同じ効果があると述べた。
 同発電所はさらに、地域経済を支援する施設でもあると同氏は説明した。常勤職員として雇用する750名には年間合計で8,460万ドルの給与が支払われるほか、燃料交換時には追加で年平均1,800名の臨時雇用や職人を雇用している。彼らがホテルやレストラン、ショップに支払いを行うことで、地元の経済が潤うとしている。

 (参照資料:NRCエクセロン社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、ほか)