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動画「福島第一の現在(いま)」Vol.2を公開しました

2015年3月23日

動画「福島第一の現在(いま)」Vol.1は、こちら。

日本原子力産業協会では、動画「福島第一の現在(いま)」を制作、公開しました。現場で働く作業員のみなさんの姿を通して、現在の福島第一原子力発電所の現地の様子をお伝えするものです。ぜひご覧ください。

動画「福島第一の現在(いま)」Vol.2

YouTubeをご覧になれない方は、こちら。

▽廃止措置が進められている福島第一原子力発電所では、当面、使用済み燃料プール内に保管されている燃料の移動・回収を最優先に取り組んでいるところですが、その後には、溶融した燃料デブリの回収という難題が待ち受けています。原子炉建屋内には、放射線量が高く人が容易に近づけないエリアがあるため、溶融した燃料がどのような状況にあるのかを把握するには、遠隔操作機器を用いる必要があるのです。前回の作業者編に続き、今回は、これら過酷な状況下で活躍するロボットなどの技術開発に携わる方々を取材しました。

 

日立GEニュークリア・エナジー株式会社 原子力設計部 予防保全機器設計グループ 技師 石澤幸治さん

Q.学生時代の専攻は?石澤さん

→学生時代は物理学科を専攻していた。

Q.原子力との関わりは会社に入ってから?

→はい。

Q.原子力分野で仕事をする面白み、やりがいは?

→原子力は非常に信頼性が高いことを要求されるので、そこにやりがいを感じている。

Q.今回のプロジェクトにおける石澤さんの役割は?

→装置も含めた調査の全体計画/設計を担当してきた。

Q.今回のプロジェクトはどういった発想からスタートしたのか?

→廃炉作業に向けて、格納容器の中を広く調査するということが、重要だと思ったので、早期に社内検討を始めた。

Q.プロジェクトを進める上で、難しかった点、工夫した点は?

→さまざまな要素技術を組み合わせる必要があり、全体のバランスを取りながら進める点が難しかった。

Q.福島第一の廃炉に関するプロジェクトは、新しい取り組みが必要なものが多いと思うが、面白み、やりがいといった点は?

→繰り返しになるが、新しい技術や新しい発想を、具体化するというところに非常にやりがいを感じている。

Q.廃炉分野でどういったことに取り組んでいきたいか?

→引き続き、燃料の状態を把握する等の技術開発に取り組んでいきたいと考えている。

Q.原子力をはじめとするエネルギー業界を目指す学生へのメッセージを

→特に工事関係、工事の仕事は、非常に多くの人と関わる。基本的な、話す、聞く、伝えるといったコミュニケーション力が必要になる。これから目指す学生さんたちは、コミュニケーション力を磨いていってほしい。

Q.福島復興への思いは?

→今回のロボットの開発をはじめとして、今後も廃炉作業に向けて、ひいては福島の復興につながっていければと思っている。

 

日立GEニュークリア・エナジー株式会社 原子力技術本部原子力技術部 チーフプロジェクトマネージャー 木下博文さん

Q. 今回のロボット開発は、いつ頃から始めたのか? 木下さん

→廃炉に向けた技術開発は2011年12月頃に国のプロジェクトとして開始された。実際にはもっと前から我々いろいろなことを考えていた、あるいはやっていた。事故当初から、様々なツールを提案して、実際に適用するというようなことをやっていた。

Q.そういう発想は自由にいろいろな議論をする中で出てきた、と?

→自由な発想や、若手とベテラン含めたいろいろな議論などから、様々な計画が始まっている。まったく新しい、今までに経験のない分野へ踏み込んでいくため、とにかくいろいろ調べさせた。国内国外も含めどんな技術があるのかよく調べ、計画に反映するように指導してきた。

Q.苦労したことは?

→構想を形にしていく過程には苦労がともなう。一番苦労しているのは実際に形になり、そこから現場に適用していくという段階だ。様々な事態を想定して、モックアップ試験を実施する。それにともなって装置を改造していく。さらには、作業者のトレーニングをしていく。そうした過程でいろいろな改善点や改良点が見つかる。時間的余裕をもって計画をしているのだが、最終的には時間的余裕が非常に厳しくなってくる。

Q.開発責任者として、メンバーのモチベーションを維持するために気を遣っていることは?

→今主に活動している人間は、以前から原子力の分野、建設やメンテナンスに関わっていた人間だ。今回の福島の廃炉は、今までとは違う仕事になる。そういう意味でモチベーションをどう保っていくのか、と心配していたが、非常に注目されている仕事であり、技術的に非常にチャレンジングなところがあり、皆が今、かなり高いモチベーションで取り組んでいる。

Q.1Fの現場では初めてのことが多く、対策を考えるうえで若いメンバーに大切にしてほしいことは?

→若い人たちは、この福島の廃炉の仕事が初めてに近い仕事になっており、もともとの原子力の仕事とのギャップっていうのはあんまり感じてないと思う。そういう意味でモチベーションという意味ではあまり心配はしていない。ただ、たとえ難しい技術であっても、最後まで粘り強く、現場で実績を上げる、あるいは成果を上げるところまで、しっかりやっていってほしい。これは、特に福島の廃炉だからということではなくて、原子力の仕事全部がそうだが。

Q.どうしても年功序列なチームの中で、若い人も自分の意見を主張できているか?

→私が心配していた以上に積極的にやってくれている。ベテランよりも、ギャップを感じず純粋に取り組んでいると思う。

Q.次世代を担う学生へ、どのような期待を持っていらっしゃいますか?

→まず一つは、この仕事はその従来やっていた仕事から少し変わってきている。皆初めての取り組みで、非常に新しいことにチャレンジしていかなければならない。若いからといって最初からビハインドがあるということではないので、是非飛び込んできてほしい。 もう一つは、一つ一つが非常に難しい、あるいは言い過ぎかもしれないが厳しいプロジェクトであり、きちんと仕上げていかなければならない。そうした仕上げる経験というのは非常に自分の糧になっていくものであり、是非そういう気持ちで飛び込んできてくれたらと思う。

Q.福島復興への思いは?

→私自身ももちろんずっと原子力に携わってきた。地震の前から福島第一原子力発電所は私自身の仕事場であって、私のフィールドだった。早く環境をよくしていきたいという気持ちは、人一倍ある。それは日立のメンバー皆一緒だと思う。

 

株式会社日立製作所 電力システム社 原子力担当CEO 魚住弘人さん

Q.福島復興は原子力メーカーとしての責務か? 魚住さん

→もともと福島の、特に福島第一の4号機は我々が、設計、建設を手掛けた。僕らの言葉でいうところの「マイプラント」だ。震災により、福島を含めた様々なマイプラントで、我々の支援が必要な状況になり、責務だなんだと言う前に我々は自然発生的に集まって、動いてきた。それがずっと続いているという形だ。 福島では福島第一の4号機の使用済み燃料取出しを支援した。そして汚染水対応もやっている。今後もデブリ取出しという大きな課題に向かっていく。そういう中でロボティクスの開発など技術的な面で極めてチャレンジングな仕事を、我々メーカーが請け負っている。 水の問題、ロボティクスの問題、デブリの特性など、いろいろな問題に対して我々が様々な技術分野のエンジニアとチームを組み、挑戦していくということをぜひともやっていきたい。そういう中で若い人たちにも大きく期待していきたい。

 

東京電力株式会社 福島第一廃炉推進カンパニー プレジデント 増田尚宏さん

Q.福島第一の除染・廃炉作業には後ろ向きなイメージがありますが、実際の現場はどうでしょうか。増田さん

→福島第一原子力における廃炉作業は、今後、30年から40年続く世界的にも経験のない大きなプロジェクトになっていくと考えている。 原子力工学、機械、電気、化学、土木、建築といった、様々な分野の技術が必要になってくる。アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、といった廃炉作業の実績を持った国々の技術や諸外国の英知を結集して仕事を進めていく必要がある。 さらには、廃炉作業の様々な場面でロボット技術が活用されており、チャレンジングで最先端の技術が必要な現場となっている。

Q.学生へ向けたメッセージをお願いします。

→廃炉作業は今まで誰も経験したことのない作業で、新たに取り組むべき分野、課題も多く、いろいろな能力を持った人材が必要となる。是非数多くのチャレンジ心旺盛な若い方々と一緒に働きたいと思っている。 また、国内外の英知が結集する現場では、グローバルな考え方や様々な技術が必要だ。長期にわたる廃炉作業を、安全かつ着実に進めるため、みなさんとともにチャレンジを続けていきたいと考えている。ぜひ、一緒にチャレンジしよう。