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中国の原子力発電開発 ― 第3世代炉の国産化と輸出に向けた動き

2017年6月13日

この情報は当協会会員へのサービスの一環として、急速に変貌する中国の原子力開発をまとめたものです。(会員限定公開)

今回の「中国の原子力発電開発:第3世代炉の国産化と輸出に向けた動き」の報告書は全体で50頁となりました。詳細は当協会の会員専用ホームページに掲載されておりますが、本ページにアクセスしていただきました方のために、その概要を以下にお示しします。ご参考になれば幸いです。

A.中国の原子力発電の現状
・運転中37基(3,454.3万kW)、建設中20基(2,295.5万kW)(2017年5月末)。2020年には運転中が5,800万kWになり、2025年には世界一の原子力発電大国になる見込み。

B.第3世代炉の国産化
・米国ウェスチングハウス社(WEC)のAP1000炉やその国産炉(CAP)、フランスAREVA社のEPR炉の建設等で技術の吸収・蓄積を図るのが中国の基本方針と見られていた。
・しかし2013年10月に「原子炉輸出の国家戦略化」決定を受けて国産第3世代炉「華龍」が登場。現在中国はアルゼンチン、パキスタン、英国(ブラッドウェルB)への「華龍」輸出を予定している。

C.中国の国家としての原子力輸出
・習近平主席の「一帯一路」構想では原発と高速鉄道の輸出加速を重点施策としている。

D.原子力発電産業の技術基盤の強化
・2025年までに製造産業高度化を図る「中国製造2025規画」(2015年3月)では、「過剰設備削減、企業統廃合、情報技術活用(ネットワーク化、デジタル化、人工知能化等)」を重要課題として挙げている。
・原子力分野でも巨大国有企業の統合は始まっている。
- 2015年7月、中国電力投資集団公司(CPI)と国家核電技術公司(SNPTC)が統合、「国家電力投資集団公司(SPIC)」が設立。
- 2017年3月、「中国核工業集団公司(CNNC)」と「中国核工業建設集団公司(CNEC)」の2017年内の経営再統合を発表。
・「原子力安全設備の設計・製造・据付等事業者認定と安全検証」制度(2007年)が設置され、また「エネルギー設備製造改革通達」(2015年)が公示された。政府は測定・試験・検証や国際認証取得等の企業努力を要求している。

E.中国のトルコの第三原発へのCAP1400売り込み提案
・SNPTCはトルコに「SNPTCが全サービスを提供」、「技術移転と国産化」、「資金調達」、「世界市場での協力」を提案した(2017年3月の第4回国際原子力発電プラントサミットでの中国セッションでの発表)。
・原子力発電世界市場では、トルコの第一原発(アックユ)やバングラデシュのルプール原発での契約獲得に見られるように、核燃料サイクルの手当てやBOO方式(ロシアが建設と発電事業を担当、資金回収後所有権を譲渡)の条件等、ロシアの販売力が最強といわれている。
しかし、技術移転や世界市場への共同参入を新たな条件にして、中国はロシアに対抗する輸出競争力をもとうとしている。

※会員専用ホームページで公開している報告書には、前回掲載した報告書に加え、SNPTCのAP1000/CAP1400の国産化に果たす役割、AP1000/CAP1400の開発現状、「5大電気集団(上海電気集団、中国東方電気集団、ハルビン電気集団、中国第一重型機械集団公司等の5つの製造グループ)」の国産化努力や納入実績また製造能力等を詳述しています。

中国の原子力発電開発:第3世代炉の国産化と輸出に向けた動き(目次)
中国の原子力発電開発:第3世代炉の国産化と輸出に向けた動き(詳細)

お問い合わせ先:国際部 TEL:03-6256-9313(直通)

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