COP26に参加、Nuclear for Climate (N4C)関係活動支援

2021年11月22日

原産協会は、10月31日~11月13日にイギリス・グラスゴーで開催された国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)の一週目に職員2名を派遣し、気候変動における原子力の重要性の理解活動を展開している「Nuclear for Climate」(N4C)の枠組みのもと、英国原子力協会若手連絡会(NI YGN)、英国原子力産業協会(NIA)、欧州原子力産業協会(FORATOM)、世界原子力協会(WNA)、カナダ原子力協会(CNA)等世界五大陸からの若手原子力関係者とともに、共同ブースを出展し、会場内外でサイドイベントなどの理解活動を行いました。

多くの参加者が立ち寄ったN4Cブース

多くの参加者が立ち寄ったN4Cブース


当協会は、2015年にパリで開催されたCOP21に向け、世界150以上の原子力学協会と団体により結集されたN4Cイニシアティブに一年目から参加しており、今年はCOP26開催までにN4Cのコアメンバーである世界の原子力産業界団体と#NetZeroNeedsNuclearを掲げたSNSキャンペーンポジション・ペーパー及び、持続可能な開発目標(SDGs)達成への原子力の貢献についての報告書発表等を通じて、原子力と再生可能エネルギーの協調を打ち出し、「2050 年までに世界がネットゼロを達成するには原子力が必要」とのメッセージを積極的に発信してきました。

 


IAEA DGグロッシー氏のツィッター投稿

COP26では、新型コロナウイルスの影響で会場内ブースの出展可能数が従来より少なくなったものの、N4Cによる出展申請が認められ、会場内唯一の原子力推進ブースとなりました。NGOによるブース出展が極めて少ない会場の中で、例年に比べ倍以上のブース訪問者が訪れるなど、高い注目を集めることができました。N4Cとしては、今回初めて国・国際機関パビリオンゾーンにおいて出展することができ、「グミベアサイズのウランペレットが大きなエネルギーを生み出す」というコンセプトのもとに、グミベア型の巨大バルーンを展示し、多くの世界各国の政府関係者やNGOからの参加者に対して、「気候変動緩和のためのカーボンフリー対策に原子力を含める必要性」を以下の5つの理由でアピールしました。

・原子力は実証済みの効果的な低炭素エネルギー源である
・原子力は現在利用可能であり、規模の拡大及び、即時展開することが可能である
・原子力は柔軟かつ手頃で安定したクリーンエネルギー源である
・原子力は単なる低炭素電力以上のものをもたらす
・原子力は包摂的で持続可能なグローバル開発を支える
 


N4Cサイドイベントの登壇者

今回のCOPにおいて、N4C若手メンバー(一日30名ほど)は原子力推進のスローガンが書かれたTシャツ・ジャケットを着用し、N4Cブースだけではなく、広い会場内で各国の参加者との対話、チラシ配布、署名活動、イベント参加・発言など様々な理解活動を積極的に行い、その様子が2週間の会期中に多くの国際メディアに取り上げられました。また、会合6日目の11月5日には、N4Cが「手頃なゼロカーボンテクノロジーへの道」をテーマとしたサイドイベントを主催し、6名の登壇者が各国・地域(フランス、カナダ、アフリカなど)の原子力産業の状況・取り組み・課題等を共有し、原子力がいかに気候変動問題対策の観点から重要であるかを述べました。その中で、経済協力開発機構・原子力機関(OECD/NEA)のダイアナ・キャメロン氏より、日本の原子力発電所の再稼働および政策が原子力にコミットした事実を他国の例と並べ、ポジティブに評価する発言がありました。

グラスゴーの中心部でのN4Cフラッシュモブ

そのほか、COP26会期中には、N4C若手メンバーがグラスゴー市内中心部で原子力の必要性を訴えるフラッシュモブを披露したり、スウェーデンの環境活動家であるグレタ・トゥーンべリを代表とした若者たちが先頭を切った気候変動問題に対するデモンストレーション(Climate Strike)において最前列に近い位置で「NetZeroNeedsNuclear」等のメッセージが書かれた横断幕を持ち行進に参加するなどし、各国のメディアや沿道の見物人から大きく注目を集めました。

N4Cスローガンが入ったグラスゴー市内バス

これまでのCOPでは、気候変動への対策として再生可能エネルギーの推進やエネルギー効率化について主に議論され、原子力が果たしうる役割についてはほとんど認められていない状況でしたが、今年は初めて複数の国によるパビリオン(英国、フランス、ロシアなど)が原子力関連サイドイベントを主催し、COP会期中に多くの原子力関係者が集まりました。脱炭素の議論が盛り上がる中、世界では原子力発電への注目が高まっており、英国やフランスは同期間中、脱炭素化を進展させるため小型モジュール炉(SMR)開発および大型原子力発電所建設の再開を発表し、ネットゼロを着実に進めていく姿勢を強調しました。

N4Cとしても、ホストを務めた英国のビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)や英国原子力産業協会から支援を受けつつ、国際原子力機関(IAEA)やOECD/NEAともうまく連携することができ、これからより多くの人に気候変動における原子力の重要性について理解してもらうため、大きな一歩を踏み出せたと強く感じました。

 

N4Cフラッシュモブとサイドイベントのまとめ動画

 

*Nuclear for Climate(N4C)関連活動の詳細は、下記ページをご覧ください。
https://www.jaif.or.jp/internationalmenu/climate
*理事長メッセージ:「パリ協定の目標達成に期待される原子力発電」

 

お問い合わせ先:国際部 TEL:03-6256-9313(直通)

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