第8回会合 平成20年12月16日(火) [於:秋葉原 UDX Conference会議室]

「量子放射線利用普及連絡協議会」第8回会合を開催

 当協会は12月16日、都内で「量子放射線利用普及連絡協議会」第8回会合を開催し、放射線利用の商品化に成功した例について(株)環境浄化研究所の須郷高信氏より、ベンチャー企業を成功に導くための必要な支援について(株)大和総研の土屋秀文氏より講演をしていただき、今後のベンチャー企業化へのノウハウの一端を学びました。

(1)「ベンチャー企業の勧め~放射線を利用したベンチャー企業設立・運営の課題と将来展望~」

株式会社環境浄化研究所 社長 須郷高信 氏

株式会社環境浄化研究所 社長 須郷高信 氏 放射線グラフト重合技術を「暮らしに役立つ放射線」というキーワードで使えないかを探り、高齢化社会に適応した生活福祉関係製品に応用することとした。最初に老人ホーム向けの消臭カーテンと消臭シーツに適用し、その後各種の介護関係の製品を製造販売している。別の用途として、細菌やウイルスに対して殺菌効果があるヨウ素錯体を添着した風邪対策マスクを実用化している。大手企業が手を出さないニッチな分野で多種用途の製品を出している。
 店頭販売の経験で、奥様方は放射線に対する認識度が極めて低い。測定器による照射後繊維に残留放射能がないことを実演し、放射線照射の原理や作用を根気よく説明することによって、害がないことが解ると消臭機能が優れた製品として購入されていく。放射線理解活動には、時間をかけて納得されるように説明をしていくこと、理論的な広報ではなく、実感できる広報が必要ではないか。
 今後は放射線グラフト重合技術の応用として、工業廃水や汚染土壌、鉱山廃水中の重金属分離など、環境浄化技術に寄与していく。

(2)「先端技術だけではベンチャーは成功しない~ベンチャー支援とは何か?~」

株式会社大和総研 経営コンサルティング部次長・シニアコンサルタント 土屋秀文 氏

株式会社大和総研 経営コンサルティング部次長・シニアコンサルタント 土屋秀文 氏 ベンチャーが投資ファンドなどの機関投資家から資金調達をするには、彼らが納得できる事業計画、5・10 年後に投資リスクに見合ったリターンが得られるようなスキームや試作品の提示が必要である。優れた技術だけではベンチャーが存続することは難しく、市場ニーズにマッチした商品やサービスを適切な価格で提供することが必要である。
 機関投資家がベンチャーを評価する際に、①ひと(人材)、②もの(コア技術)、③かね(資金)の 3 点が重要なポイントとなる。これまでの事業実績や潜在能力から今後の成長の可能性の成否を見極める。現時点で赤字でも将来莫大なキャッシュフローを生み出す期待があれば投資対象となり得る急成長が期待できるベンチャーのビジネスモデルとして、高い市場ニーズがある(又は見込まれる)商品かサービスであることを前提に、①ベンチャーの限られたリソースを有効活用した事業であって、②技術やノウハウの独自性が高く真似をされにくく、③大手企業から見て市場規模が小さい隙間市場(ニッチ市場)への参入が挙げられよう。
大学や公的研究機関での研究成果(先端技術)を社会に還元するには、株式公開(IPO)を目指せるよ
うな有望なベンチャーを作っていくことが望まれる。このため、ベンチャーに必要なリソースを十分
に投入できる体制を構築することが大切である。

- 以上 -

議題:
1.「ベンチャー企業の勧め
 ~放射線を利用したベンチャー企業設立・運営の課題と将来展望~」
2.「先端技術だけではベンチャーは成功しない  ~ベンチャー支援とは何か?~」
3.各機関の活動紹介・予定 他

お問い合わせ先:地域交流部 TEL:03-6256-9314(直通)