第9回会合 平成21年6月8日(月) [於:航空会館会議室]
「量子放射線利用普及連絡協議会」第9回会合を開催
当協会は6月8日、都内で「量子放射線利用普及連絡協議会」第9回会合を開催し、「悪魔の放射線Ⅰ~逆手にとって生き生き生活術~」の著者である医学博士の田邉裕氏を講師として招き、原子力・放射線の正しい理解の普及のための啓蒙活動の心得や戦略について講演をいただきました。田邉氏は、ご自身の原子力反対派とのやりとりの経験やこれまでの原子力広報への反省点から、独自に原子力や放射線に対する理解促進のための戦略を立て、一般市民へのユニークな放射線啓蒙活動をされています。
「一般市民への放射線啓蒙活動の経験を踏まえて」
医学博士 田邉 裕 氏(日本原燃(株)放射線管理部部長)
これまでの原子力広報は、「原子力発電」の話に偏りすぎていた。原子力のエネルギー利用よりも、放射線利用の方が、多岐にわたって身近に存在するが、一般の人には、あまり知られていない。
また、今まで原子力産業界は、発電所や再処理工場の安全性についてのみ熱心に説明していたが、事業者が自身の発電所や再処理工場について「安全」と言えば言うほど、住民からは怪しまれる。もっと、違う切り口から入っていかないと、一般の人には受け入れられないと考え、独自に戦略を立て、様々な視点からのアプローチにより、「放射線」に対する嫌悪感をなくし、「原子力」や「放射線」がこんなにも身近に役に立っている天使のような存在と理解してもらえるような啓蒙活動をしている。一般の方に話す際に重要な点は、主に以下の3点。①切り口は、聴衆の興味深い話や地域に密着した話題を取り上げる。②どんな物にも「適量」があり、「適量」がどの程度であるかを理解してもらう。③放射線測定器で実際に「測る」ことが理解への最も近道である。
講演の最後に田邉氏は、「今後は、このような活動を原子力関係施設の立地地域のみではなく全国版で広げていくことが重要であり、呼んでいただければ、どこにでも行き講演したい。」と述べました。
- 議題:
- 「一般市民への放射線啓蒙活動の経験を踏まえて」
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