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【ウクライナ】チェルノブイリ原子力発電所視察等でウクライナを訪問(2013.5.22~24)

当協会の服部理事長は5月22日~24日の3日間、ウクライナにて、チェルノブイリ原子力発電所の視察及びウクライナ原子力関係機関を訪問。チェルノブイリ立入禁止区域庁・ホローシャ長官、国立戦略問題研究所・イエルモラエフ所長、ウクライナ原子力フォーラム・リャブツェフ理事、原子力発電所安全問題研究所・クリュチニコフ所長他と会談を行いました。

これまでに多くの日本人がウクライナを訪問していますが、ウクライナの方からは、日本はどうしたいのかが分からないと、不審感を抱いていました。そこで、一方的に質問するのではなく、丁寧に説明し、お互いを理解することが必要であると感じました。

環境・天然資源省 チェルノブイリ立入禁止区域庁 ホローシャ長官との会談概要

  • ホローシャ長官からは、「経済的にも、被ばくの観点からも、さらに廃棄物を減量する観点からも、しばらく放置し、除染するのが良いのではないか。」「福島の状況では、除染を大規模に行うことは難しいのではないか。特に山林があるから。ウクライナの経験では山林除染はあまり効果が無かった。」「除染の費用は高い、さらに除染後の保管場所が問題となる。また、山林で除染すると下流の地域に影響する。」などの意見を伺いました。

国立戦略問題研究所 イエルモラエフ所長との会談概要

  • イエルモラエフ所長からは、「ウクライナと日本の専門家が一緒に“濃縮しないウランを使った研究”をしてはどうか。」「日本と共同のプロジェクトを行い、チェルノブイリと福島とに有効ではないか。例えば、汚染水処理とかはどうか。」「サマースクールを行って、例えば、福島に2~3週間集まり、講義やセミナーをして意見交換することはできないか。」などの意見を伺いました。

ウクライナ原子力フォーラム リャブツェフ理事との会談概要

  • リャブツェフ理事からは、「ウクライナではチェルノブイリ事故以降、原子力を一度止めたが、経済危機により再開した。そこには、政策に対する一般公衆の理解があったと考える。」などの意見を伺いました。

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ウクライナ原子力フォーラムでの会談

原子力発電所安全問題研究所 クリュチニコフ所長との会談概要

  • クリュチニコフ所長からは、「日本の発電所は海沿いにあり、 海水放出しても十分に希釈されるため、放出しても問題ないのではないか。」、「チェルノブイリもその川沿いにある。ウクライナの人口4,500万人のうち3,500万人が川沿いに住んでいる。もっと汚染水についても研究しないといけない。」、「我々が欲しい福島第一に関するデータを教えてもらえない。また、福島第一発電所の中に入りたいと言っても、ダメであった。」「日本ともっと具体的な研究や課題に取り組みたい。関心があれば研究所や福島でのラボなど、それぞれの課題に応じて取り組んではどうか。ウクライナの科学アカデミーでは、相互協力のメモランダムがある。」などの意見を伺いました。

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クリュチニコフ所長との会談

チェルノブイリ原子力発電所視察概要

  • チェルノブイリ発電所及び周辺施設等を訪問し、セイダ第一副所長他から説明を受けました。
  • チェルノブイリ発電所は、1号機が1977年、2号機が1978年、3号機が1981年、そして事故を起こした4号機が1983年に竣工しました。
  • 事故後、原子力を全て閉鎖しようという動きがありましたが、経済危機・電気不足により、原子力を継続することとなりました。ちなみに、チェルノブイリ発電所1号機が1996年、2号機が1991年、3号機が2000年まで運転を継続していました。
  • 1986年の4号機事故当時、5号機、6号機が建設途中でしたが、事故後に建設中断が決定され、現在も工事用クレーン、足場が据えられたまま放置されています。
  • 4号機の廃止措置には、TRU(超ウラン元素)除染と化学除染の2ステップ必要となるとの事です。しかし、詳細はこれから研究を続けて検討する必要があり、まだ4号機の現場の25%は入れていない状況でした。
  • 2012年にチェルノブイリ1号機の廃止措置FS(feasibility study)を開始しています。一方、事故を起こした4号機については、2045年に廃止措置を開始し、2064年完了予定です。
  • 1~3号機の廃止措置費用は、40億ドル(68百万ドル/年)を見込んでいるとのことでした。
  • 廃止措置の課題についても、様々な関心事項があり、前向きに取り組んでいるとのことです。
  • チェルノブイリ発電所では、常時2,700人が働いており、そのうち、4号機の新シェルターに850人が働いています。
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事故を起こした4号機
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建設を中断した5号機

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建設中の新シェルター

お問い合わせ先:国際部 TEL:03-6256-9313(直通)