服部理事長、ルイセンコ・ロスアトム国際協力局長との懇談(2010.3.26)

 当協会の服部理事長は、日本外務省との定期協議のために来日したロシア国営原子力企業ロスアトムのルイセンコ国際協力局長と3月26日に懇談しました。

 服部理事長は、ロシア原子力産業界とのこれまでの協力の実績について言及し、ロシアの原子力関係者、専門家と興味深く有益な情報交換をできたことに日本の産業界は満足していること、ならびにこれまでの協力に対する謝意を述べました。また、昨年5月に調印された日露政府間の原子力協力協定は発効されておらず、産業界としては可能な範囲で協力に取り組んでいるところであるが、より実質的な協力段階に進むためには一刻も早い協定の発効が望まれると述べました。

 さらに、ロスアトムのキリエンコ総裁からの招待により、今年の6月7~9日にモスクワで開催される国際フォーラムATOMEXPO-2010に産業界のメンバーとともに参加する計画があること、訪ロの際には原子力発電所VVER-1000の視察や、ロシアの原子力人材育成の拠点である国立原子力大学を訪問して共通の課題である人材育成問題について意見交換をしたい旨述べ、支援をお願いしました。

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ルイセンコ局長(=中央)
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キリエンコ総裁の親書を読む服部理事長

 ルイセンコ局長は、ロシア側は原産協会のロシア原子力産業界との協力活動を高く評価しており、日露の原子力産業界の交流の場として相応しいATOMEXPO-2010への原産協会の参加団の出席と原子力関連施設への訪問、ならびに今後の協力として人材育成分野も含めることに歓迎の意向を示しました。

 また、ロシア側は原産年次大会も高く評価していると述べ、これに対し当協会もロシアの原子力関係者による発表と参加を歓迎すると述べました。

 ルイセンコ局長は、日露政府間協定についても触れ、昨年の調印までの道のりは長く困難を伴うものであったこと、調印後の現在も両国議会での批准・発効に向けて双方が努力をしていると述べました。ルイセンコ局長自身、協定の一日も早い発効、国会批准を願い作業を進めており、今年末または来年までに完了するのではないかという個人的見解を示しました。

 また、この会合に同席したロシアの原子炉科学研究所のビチコフ所長は、ロシア政府が最近採択した新世代の高速炉開発に関する新しい連邦プログラム [421KB]に言及し、これを基に研究基盤を更新、新たな実験炉を作り、それをオープンな国際的共同利用に供する計画をもっていることを紹介しました。最近、高速炉開発に関しては状況が変わっており、(少なくとも日本より)積極的な国が3カ国(ロシア、中国、インド)あるとし、複数の国が1つの傘の下で力を合わせ、核不拡散を前提に協力を実施していくことが目標であると述べました。

お問い合わせ先:国際部 TEL:03-6256-9313(直通)