[諸外国における原子力発電開発の動向] 主なできごと (2000年10月中旬〜11月中旬) |
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台湾:行政院長、第四原子力発電所の建設中止を発表--政局混乱、陳総統の罷免の要求も張俊雄・行政院長(首相)は10月27日、台湾電力が台湾北東部沿岸の台北県貢寮郷塩寮で進めている第四(龍門)原子力発電所(ABWR、135万kW2基)の建設工事を中止すると発表した。 陳総統と連戦・国民党主席は10月27日の午前中、同発電所の建設をめぐり意見交換を行い、連主席は第四発電所については建設を続行し、現在稼働中の3サイト・6基の原子力発電所については運転期限がきたら廃炉にするという妥協案を陳総統に提案した。しかしながら会談が終了した30分後に張院長は、第四原子力発電所の建設中止を発表した。これに対し国民党は、これまでにない強硬な反発を見せ、建設を推進している野党の親民党と新党も取り込み、野党3党が陳政権に揺さぶりをかけた。 野党3党は日本の国会に当たる立法院で優位に立っているが、立法院が正副総統の罷免権を行使するための法律がまだ整備されておらず、「立法院職権行使法」の修正が先決となった。このため野党第一党の国民党は「立法院職権行使法修正案」を立法院に提出した。同法案は11月7日、出席した立法委員201名中、賛成131票、反対66票、棄権4票と圧倒的多数で可決された。この法律は、立法院通過から10日以内に総統が公布し、その3日後から施行されるが、これによって立法院が正副総統の罷免を行使できることになる。 また同日、野党第二党の親民党が提出した「行政院長の弾劾を監察院に申請する法案」も、与党民進党が欠席の中、野党3党の圧倒的多数で可決。今後は、台湾として初めてとなる行政院長の弾劾が監察院で審議されることになった。 野党3党首は11月11日の党首会談で、立法院で予算が成立している第四発電所建設の中止を含めた陳政権の政策を批判し、陳総統の罷免や張院長の辞任で意見が一致した。野党3党は、立法院で総裁罷免に必要な立法委員(国会議員)147名の確保に自信を示しており、総統罷免案を提出するタイミングをはかっている。なお、総統罷免案が提出される場合、立法院で審議を行い3分の2(147名)以上の立法委員が賛成すると国民投票が実施され、罷免賛成が過半数に達すると総裁は辞職を余儀なくされる。 これに対し、少数与党の民進党は、立法院で総統罷免が成立した場合、行政院(内閣)不信任案も成立する可能性があるとみている。同党は対抗手段として、陳総統に立法院の解散を要請し、総選挙にうって出る可能性もある。 なお、立法院における各党の現有議席数(計225名)は以下の通り。
最近の第四発電所の建設をめぐる主な動きは以下の通り。
[終わり]
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