[諸外国における原子力発電開発の動向]
主なできごと (2001年2月中旬〜3月中旬)
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中国:全人代で新規原子力発電所が承認へ

-- 南東沿海部の山東、浙江、広東に建設

中国政府高官は3月12日、第9期全国人民代表会議 (全人代) で山東省や浙江省、広東省などで計画されている新規の原子力発電所の建設が承認され、第10次5ヵ年計画 (2001-2005年) に盛り込まれる見通しであると発表した。

先進工業地帯であるいくつかの南東沿海部の省ではエネルギー需要が急増しているが、石炭資源や水力資源に恵まれていないため、原子力発電所に大きな期待が寄せられてきた。新規原子力発電所の設備容量は決まっているが、炉型・基数はまだ確定していない。現在、判明している内容は以下の通り。

  1. 山東省・海陽プロジェクト:
    山東半島の南岸 (青島の北東約100km) に位置する海陽に、200万kW の原子力発電所を建設する。建設費は約250億元 (30億ドル) で2003年の着工の予定。

  2. 浙江省・三門プロジェクト:
    浙江省では三門に200万kW の原子力発電所を建設する予定。

  3. 広東省・陽江プロジェクト:
    香港から西南約500kmに位置する広東省陽江に、600万kW の原子力発電所を建設する。建設費は約700億元 (85億ドル) で、初号機が2002年に着工、2009年に運転開始の予定。

  4. 広東省・嶺澳第U期プロジェクト:
    すでに第I期工事が進められている嶺澳サイトに200万kW の原子力発電所を建設する。建設費は約200億元 (24億米ドル)。なお、同サイトで進められている第I期プロジェクトの1号機 (PWR、100万kW) は、2001年12月に燃料の初装荷、2002年7月に運転開始、また2号機 (PWR、100万kW) は2003年3月に運転開始の予定。

第10次5ヵ年計画では当初、12基の原子力発電所を建設する予定であったが、火力発電所や長江三峡の水力発電所等のプロジェクトが順調に進んでいるため、原子力発電所の建設計画が縮小された。

なお、中国では現在、大亜湾1、2号機、および秦山原子力発電所が運転中で、発電設備容量は計210万kW となり、年間の発電電力量は約140億kWh。また、4ヵ所のサイトで8基の原子力発電所が建設中で、全てが完成すると2005年末時点で原子力発電設備容量は計870万kW となる。

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