[JAIF] 第39回原産年次大会ステートメント

第39回原産年次大会ステートメント

新生なった日本原子力産業協会は平成18年4月26日から28日まで「わが国の原子力産業の基盤強化と再活性化―未来のために、今なすべきこと」を基調テーマとして、パシフィコ横浜にて第39回年次大会を開催した。

世界の原子力開発は明らかに一時の停滞を脱し、再生への道を歩み始めた。原子力発電が良好な運転実績をあげている米国からは、2010年頃の新規建設にむけて官民の一致した活動が行なわれていること、経済成長の著しい中国、インドでは大規模な原子力発電建設計画が実施に移されていること、さらに国際原子力パートナーシップ(GNEP)の構想が米国の責任者によって詳細に説明されるなど、各国独自の開発や先進技術開発の国際的連携が確実に推進されている姿が明らかになった。これらの活発な動きは国際社会がエネルギーセキュリティ、地球温暖化防止等の面から原子力エネルギーの供給を不可欠であると認識しはじめている証と考えられる。

一方、わが国では原子力発電が原子力大綱において基幹電源として位置づけられ、その具体的な推進施策は総合資源エネルギー調査会において鋭意検討が進められている。わが国は軽水炉による原子力発電にかかわる優秀な人材と施設を有しているほか、原子力平和利用国としての半世紀にわたる研究開発活動の成果として、高速炉ならびに再処理を中心とする燃料サイクルなど世界に先駆ける技術を確保しており、今後のわが国における原子力開発の推進のみならず、国際的な貢献を果たしうる十分な能力と資質をもっていることが改めて確認された。原子力産業界はこのような国内外の動向を追い風とし、技術基盤を踏まえて、安全確保を第一の条件としながら、確実な推進活動を展開しなければならない。これらをはじめとする多様な議論によって、日本原子力産業協会の果たすべき役割は主に以下のことであることが明らかになった。

公益法人として常に社会に貢献することを旨とし、世界的視野をもって未来を展望しつつ関係産業界、研究機関などの力を結集して国の政策的指導のもとで推進の原動力となる。原子力施設の一層の安全と信頼性を追及する一方、地方自治体やマスメディアなどとの緊密な情報交換のもとに、放射線利用の幅広い役割と原子力開発の重要性を訴える。それを踏まえて、わが国の民間産業が欧米およびアジア諸国との協力を進めるにあたり、諸国の政策指導者、原子力関係者等との情報交換、活動の支援など緊密な連絡を行なって、国際協力の中核となる。

これらの役割を果たすため日本原子力産業協会は政策提言、情報発信、規制対応、国際展開を活動の柱として、関係各方面の協力の下に活発な事業を展開することを宣言する。

平成18年4月28日
社団法人 日本原子力産業協会

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