[JAIF] 原産創立50周年・原産協会発足を記念して −各界からのメッセージ− 1956-2006 |
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原子力開発の更なる発展に向けて
我が国の原子力発電は、1960年代の高度経済成長期に新たな電力供給源として事業が開始され、1970年代の石油ショックを乗り越える原動力として成長しました。その後、世界では、チェルノブイリ事故などによる安全性への懸念が高まった結果、1980年代後半には停滞期に入りましたが、我が国では、その後も原子力発電は拡大し発電電力量全体の約3割を占める基幹電源となりました。しかし、近年は電力需要の伸び悩みなどから新規建設が低迷している状況にあります。 近年、世界的なエネルギー需要の急速な拡大と原油価格の高騰を背景として、エネルギー安全保障に対する関心が高まっています。こうした状況を踏まえ、経済産業省としては、今般、エネルギー安全保障を核とした「新・国家エネルギー戦略」を取りまとめました。その中で、原子力発電については、供給安定性に優れCO2を排出しないという利点を有していることから、2030年以降も総発電電力量の3〜4割程度以上を原子力発電が担うことを目標として掲げました。 この目標の達成には、大前提として安全を確保し、開かれた公平な議論により、中長期的にぶれない方針を確立し、立地地域をはじめとする国民のご理解とご協力を得ることが不可欠です。今般、貴協会が、電力会社やメーカーなどからの要望を集約して国に提言する機能や、より効果的な安全規制の実現のための基盤整備を行う機能、議論の前提となる正しい情報を広く社会に発信する機能、の三つの機能を強化されたことは、誠に時宜を得たものです。 また、貴協会はこれまで、幅広い関係者間での意見交換や、国内外の原子力産業の実態調査など、重要な活動を展開してこられました。このような活動を通じ、我が国の基幹電源を支えるという重要な役割を積極的に果たしていただくことを期待しております。 日本原子力産業協会及び関係者の皆様の一層のご活躍により、次の50年を原子力産業の新しい発展の時代とされることを祈念します。 |