日本原子力技術協会が安全文化の冊子など配布


 日本原子力技術協会は、安全文化の醸成をはかる活動の一環として、同協会が定めた「安全文化の7原則」とその内容をコンパクトにまとめたポケットサイズの小冊子を作り、会員に配布した。すでに配布数は一万部を超えたという。また、この7原則を盛り込んだポスターも会員の事業所などに配布し、安全文化の浸透に役立ててもらう考えだ。

1.日本の組織風土や文化に合致した7原則まとめ

 同協会では、安全文化に関する米国のINPO(原子力発電運転協会)が定めた8原則や、IAEA(国際原子力機関)の5原則などを踏まえ、原子力安全研究協会がガイドラインをベースに、日本の組織風土や文化を考えあわせ、特に職場風土や良好な人間関係がトップのコミットメントやコミュニケーションを左右する点を重視し、「活気のある職場環境」という1原則を加えた七つの原則を2007年に定めている。
 同協会では、これまで外部識者からなる委員会での検討を通じて、安全文化の醸成された状態を「安全を最優先するとの価値観を組織構成員が持ち、その価値観が組織の中に共通基盤として定着し、その共通認識に基づいて行動がなされる状態」とし、事業者の安全文化の現状とのギャップをいかに埋めるかが、安全文化の醸成・向上活動で、この現状を把握する視点として7つを定めた。

2、安全文化の醸成に一役、小冊子、ポスターを会員むけに

 今回の小冊子には、この7原則として、

「安全最優先の価値観」
「トップのリーダーシップ」
「安全確保の仕組み」
「円滑なコミュニケーション」
「個人・組織の姿勢」
「潜在的リスクの認識」
「活気ある職場環境」

 の内容を簡潔にまとめ、日々の仕事に活用してもらえるように、ポケットに収まる折りたたみ式の冊子に工夫した。  


 
 また、ポスターは、それぞれの原則を端的に示す一文からひと文字をぬき、書家に依頼して墨書きした達筆が鮮やか。

 一枚ずつにそれぞれ「旗」「率」「礎」「承」「観」「覚」「啓」の七つの文字が中心にすわり、目を引く仕上がりになっている。


 右のイメージをそれぞれクリックしていただくと、7原則の内容がご覧いただけます。

(PDFファイルで上が781kb、下は1971kbです。)
 

(社)日本原子力産業協会