ポーランドをめぐる最近の原子力発電開発動向

ポーランドで新規原子力発電開発プロジェクトを主導する経済省は今年3月16日、原子力発電所建設候補サイトとして27地点を発表した。いずれもIAEAの指針に基づき安全性および地質特性等を考慮してランク付けがされており、かつて政治的な理由からVVER-440の建設を断念したジャルノヴィエツが最有力候補に挙げられている。

原子力発電プロジェクトの少なくとも初号機の実施主体となるポーランド・エネルギーグループ(PGE)は、プロジェクトのパートナー企業を求めている。2013年にも着工し、2020年の初号機運開を目指す。2サイトにそれぞれ2〜3基ずつ、合計出力600万kWを建設する考えで、2号機以降は徐々に国産化を進めたい意向だ。PGEの担当者によると、パートナー企業がエンジニアリングの経験が豊富であれば、PGEとともに建設に携わることになるが、そうでない場合はターンキー契約もあり得るという。

採用炉型に関してPGEは、昨年11月にフランス電力(EDF)と、今年3月に米GE日立ニュークリア・エナジー社(GEH)と、同4月27日には米ウェスチングハウス・エレクトリック社とそれぞれ、原子力分野での協力に関する覚書に署名。@GEH製ABWR、AESBWR、BEPR、CAP1000――の4炉型をオプションとして保持している。PGEはこの他にも、実績ある供給者を模索しているが、ロシア型炉の採用はありえないという。

ポーランドは日本の技術と精神性に対し絶大な敬意と信頼を寄せており、日本企業の協力を強く望んでいる。しかし、これまで日本からのアプローチがあまりなされていないこともあり、どういう協力を日本ができるのかを知ることから始めたいと希望している。当協会が3月に実施した現地調査では、機器供給以外にも日本に対する期待として、EUの要求レベルに沿った安全規制の枠組み整備への協力(圧力容器の検査等、検査制度の導入に伴う技量レベルの定め方、その資格認定の仕方、それに基づく溶接工等の養成ノウハウなど)が挙げられた。

ポーランドにとって原子力発電プロジェクトは、単なるエネルギー供給の手段ではない。同国には20年前、ジャルノヴィエツ発電所の建設中断により、多くの人材を、フィンランド、フランス、カナダなどに流出させてしまった苦い過去がある。東欧最大の国であるポーランドは国の近代化のために原子力発電プロジェクトに取り組む姿勢である。■

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(原産協会・国際部 石井敬之まとめ)



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