原子力規制委員会と東北電力が意見交換

2015年4月23日

第5回規制委員会横長 原子力規制委員会は4月22日、東北電力の海輪誠社長との意見交換を公開の場で行った。
海輪社長は、東日本大震災を始め、これまで同社の電力供給管内や保有する施設が多くの災害に見舞われてきたことを振り返り、「自然災害との戦いが創業以来の歴史、災害対応が当社危機管理の1丁目1番地」と述べ、他電力に先駆けて導入した大型ヘリなど、防災対策強化の経緯を説明した。また、震災時には、全社挙げての被災地支援にかかり、その中で、女川原子力発電所では、地震発生後、原子炉を止める、冷やす、放射性物質を閉じ込める機能を達成した後、3か月間にわたり最大364名の地元住民を所内体育館に受け入れたことなどを披露した。女川原子力発電所が過酷事故に至らなかった要因としては、1号機営業運転開始以降、その時々の最新知見を収集しながら安全対策を強化してきた歴史をあげた。津波に関しては、想定高さを1970年(1号機設置許可申請時)の3mから、2011年の東日本大震災後には13mにまで引き上げ、現地固有の地形も加味しながら、29mの防潮堤建設を決定するまでに至ったとしている。
東北電力の供給管内に他社の原子力発電所が位置することに関連し、更田豊志委員は、シビアアクシデント対策として配備する可搬式設備について、事業者間での規格統一化を進めることを提案するなどした。
意見交換終了後、海輪社長は、記者団のインタビューに応じ、委員からの指摘事項については「真摯に受け止める」とした上で、「シビアアクシデントを絶対起こしてはならない」と述べ、訓練も実施し、新しく配備する設備の運用が着実になされるよう対応していく考えを示した。また、同日の川内原子力発電所差止め仮処分決定(事業者側勝訴)に関する問いに対しては、「安全対策に疑義を持たれぬよう説明責任を果たしていきたい」などと応えた。