原産協会が世界の原子力発電開発動向を発表、躍進目覚ましい中国

2015年4月9日

 日本原子力産業協会は4月8日、2015年1月1日現在の世界の原子力発電開発に関する調査結果を発表した。「世界の原子力発電開発の動向2015年版」として毎年刊行しているもの。それによると、世界で運転中の原子力発電所は431基、約3億9,000万kWだった。また、中国では、2014年に世界で新規に運転開始した6基のうち、5基を占めているほか、26基が建設中、30基が計画中となっているなど、今後も新規運転開始が続く見込みで、「2014年は中国の将来的な飛躍を予見させる年となった」と総括している。
 中国の原子力発電は、2010年以降、毎年1~2基が運転開始するなど、躍進目覚ましいが、2014年に運転開始した陽江1号、寧徳2号、紅沿河2号、福清1号、方家山1号は、すべて第2世代改良型で、2007~08年に着工された。さらに続いて、2015年に入り、方家山2号も送電を開始しており、これを含めると運転中のプラント基数は計23基で、世界第5位の韓国に並ぶ勢いぶりだ。計画中のものも30基に達しており、これは、世界で計画中の基数の約3割を占めている。
 また、2014年は、インドでも初のPWRとなるクダンクラム1号が運転開始しており、同機の出力は、これまでの50万kW級を上回る100万kWで、今後も同国では海外導入の大型軽水炉が急増していくものと今回調査では見込んでいる。
 建設中の原子力発電所は合計76基、7,937万kWで、前回調査からは5基、461万7,000万kW分の減少となっている。新規に建設工事が始まったのは2基、259万kWで、ベラルーシのオストロベツ2号とアラブ首長国連邦のバラカ3号だった。
 「世界の原子力発電開発の動向2015年版」の購入・問合せは、原産協会ホームページ(https://www.jaif.or.jp/)を参照。