国際ドローン展 未来を担う技術 福島から

2015年5月25日

真:ドローン展会場

来場者でにぎわうドローン展会場


 無人航空機ドローンに関する技術や事例が一堂に会す「第1回 国際ドローン展」が5月20日から22日まで、千葉県の幕張メッセで開催され、50社が出展した。線量の高い地域での放射線計測や空撮による災害現場の調査など、人間が立ち入れない場所でも遠隔操作によって活躍できるドローンの関連市場は国内外で注目を集めている。
 福島県の飯館村と南相馬市に工場を置く菊池製作所は、30kgまで搭載が可能な「災害対応完全自律有線給電型重量級ドローン」などを展示。災害発生時に色々な場所で長時間の監視や情報収集など多様な用途で力を発揮できるよう、千葉大学と自律制御システム研究所が連携して開発を行ったもので、同社が機体の製造を受託し製作している。同社では4月より、7kgまで搭載可能なドローン標準機体100機の製作を開始しており、南相馬市の同社工場でも量産化の体制を進めている。
真:ミニサーベイヤー

ミニサーベイヤーMS‐06LA


 アトックスのブースでは、福島県川俣町の放射線量測定に使われた「ミニサーベイヤーMS‐06LA」を展示し、原子力発電所構内の線量調査や解析での運用事例を紹介。併せて小型遠隔除染装置「RACCOON」やPVモジュール検査ロボットも展示し、福島第一原子力発電所事故処理作業に貢献する様々な技術が紹介された。
 ドローンは有用性が期待される一方で、墜落の危険性などもある。アトックス技術開発センターロボティックスエンジニアリング部の加藤貴志氏は、「社内で技能検定を行っていくなど運転操作のスペシャリストを育成し、安全性に努めていきたい」と語った。
真:ドローン飛行デモ5452

ドローン飛行デモンストレーション


 最終日の22日には小泉進次郎内閣府大臣政務官が同展を訪れ、ネットの張られた飛行デモンストレーションコーナーで、自律制御システム研究所のインフラ点検用ドローンを体験操縦した。小泉政務官は、今後のイノベーションを担うドローンの将来への期待を述べた。