東京電力、福島第一事故の進展メカニズムで調査報告
東京電力は5月20日、福島第一原子力発電所事故発生後の進展メカニズムに関する調査結果を公表した。同社ではこれまで、事故直後の未確認・未解明事項として52件を抽出し調査を進めてきており、今回の進捗報告は第3回目となる。
調査報告によると、2号機格納容器のベントの成否について、線量調査を実施しベント流の痕跡を調べたところ、ベントライン上のラプチャディスクと呼ばれる閉止板周辺の放射線量が、それより下流側のフィルタに比べて大幅に低いことを確認し、ラプチャディスクが作動していなかった可能性が示され、東京電力では、さらに検討していくこととしている。同社の発表資料によると、2011年3月11日の大地震・大津波発生後、2号機では3月14日の21時頃、ラプチャディスクを除くベントライン構成を完了後、21時20分頃に線量が急上昇したことをモニタリングカーが測定していることから、この線量上昇とベント成否との関連性について解明を進めていた。
福島第一原子力発電所事故の調査分析は、原子力規制委員会、日本原子力学会、新潟県の技術委員会などでも行われており、東京電力ではこれらの議論も参考にしながら技術的検討を進めていくこととしている。