東芝メディカル 被ばく低減CT装置で全国発明表彰発明賞

2015年5月28日

 公益社団法人発明協会はこのほど、2015年度全国発明表彰の受賞者を発表した。同表彰は1919年に第1回帝国発明表彰として始まり、優れた発明を完成した者、実施化に尽力した者、発明の指導・奨励・育成に貢献した者の発明の奨励・育成を図り、日本の科学技術向上と産業振興に寄与することを目的としている。

真:心電同期フラッシュスキャンシステム0184

ⓒ東芝メディカルシステムズ


 今年度の発明賞には、尾嵜真浩・東芝メディカルシステムズ医用システム研究開発センター主幹が「被曝を低減し心臓を画像化するX線CT装置の発明(特許第4503727号)」で選ばれた。
 同技術は、画像診断用X線CT(コンピュータ断層撮影)装置の低被ばく撮影技術に関する特許で、心臓検査で、必要な心位相のみにX線をばく射し、必要な投影データを収集するよう回転制御する。従来のセグメント再構成による画像化技術に比べ、患者へのX線被ばくを約70%も低減させつつ、従来検査法と同等な高画質の3次元画像による心臓CT検査を実現した。この技術を利用した心臓CT検査は、他社を含め多くのCT装置に搭載されており、不要な被ばくを削減して最適な検査ができるようになった。