福島第一原子炉格納容器内部調査、「情報収集十分にできた」

 東京電力は4月20日、福島第一原子力発電所1号機で10日より実施していた原子炉格納容器内部調査(B1調査)の結果を公表した。今後の燃料デブリ取り出しに先立ち、原子炉格納容器内の状況を早期に把握するため、ペデスタル(原子炉圧力容器外下部の円筒状部分)外側の1階グレーチング(金網)外周部の状況確認を目的とするもので、狭あい箇所を通過できるクローラ調査装置を用いて行った。この装置は、国際廃炉研究開発機構のメンバーである日立GEニュークリア・エナジーが開発に当たった遠隔操作の「形状変化型ロボット」(写真)で、高い放射線下にも耐えられ、グレーチング走行時はコの字型をしているが、パイプ走行時には概略寸法で、長さ600mm、幅70mm、高さ95mmの棒状に変形し、内径100mmの配管も通過できる。形状変化型ロボット

 今回の調査では、クローラ調査装置を、ペデスタル周囲に反時計回りおよび時計回りのアクセスルートで走行させ、随所で線量率や温度を測定し、最大の目的である格納容器内の情報収集を十分行うことができたとしている。10日より開始した反時計回りルートでは、クローラ調査装置が約3分の2の範囲を走行したところで停止し、格納容器外への回収にはリスクがあると判断されたためケーブルを切断したが、15日より他機で開始した時計回りルートで、停止した調査装置については続く調査に支障がないことが確認されている。今後は、B1調査の成果を踏まえ、2015年度末までにペデスタル外側の地下2階の調査(B2調査)が行われる計画だ。

 B1調査の映像は、東京電力ホームページの映像アーカイブ(http://www.tepco.co.jp/tepconews/library/archive-j.html?video_uuid=l24lad8f&catid=69619)で公開されている。