緊急作業時の被ばく線量限度で規則改正案
原子力規制委員会は5月20日、緊急作業時の被ばくに関する規則の改正案をまとめ、意見募集を行うこととした。福島第一原子力発電所事故発生時の対応や海外における事例を踏まえ、緊急作業時の被ばく線量限度として、従来の実効線量100mSvに加え、原子力災害対策特別措置法に規定する通報事象発生時に適用する実効線量250mSvの2段階を設定するほか、緊急作業への従事を、必要な訓練を受け意思表明が確認されている放射線業務従事者とすることなどを定めている。
厚生労働省の専門家検討会が最近取りまとめた報告書では、250mSvの被ばくについて、「医学的な知見が明示するものではないが、リンパ球数減少による免疫機能の低下を確実に予防できるレベル」と評価している。
福島第一原子力発電所事故の際は、事態収束のためやむを得ず、急きょ緊急作業時の線量限度が100mSvから250mSvに引き上げられた。