規制委員会、伊方3号機で「審査書案」取りまとめ
原子力規制委員会は5月20日、四国電力伊方3号機が新規制基準に「適合している」とする「審査書案」を取りまとめた。今後、審査結果について、原子力委員会と経済産業省に照会するとともに、1か月間の意見募集を行った上で、最終決定となる運びだ。
規制委員会が新規制基準に係る適合性審査で「審査書案」を取りまとめるのは、既に原子炉設置変更許可に至っている九州電力川内1、2号機、関西電力高浜3、4号機に続き、これで3件目、計5基となる。伊方3号機の審査に関して、規制委では、新規制基準が施行されてすぐの2013年7月に申請を受け、以降、計76回の審査会合が行われ、敷地沖合約8kmを通過する長大断層「中央構造線断層帯」の影響については1年余りにわたる議論があった。また、2016年7月、四国電力は、新規制基準で要求される緊急時対策所について、耐震評価により建物基礎部分の一部で基準適合が難しいことが判明したとして、新規制基準を満たす緊急時対策所を追加設置することとしている。
愛媛県の中村時広知事は、伊方3号機の「審査書案」取りまとめを受け、審査が最終段階に進んだとの認識を示した上で、県としても専門委員会により安全性の確認を行っていくとのコメントを発表した。