規制委員会が中国電力社長らと意見交換
原子力規制委員会は5月27日、中国電力の苅田知英社長らと公開の場で意見交換を行った。
苅田社長は、2010年に発覚した島根原子力発電所の点検不備問題を受けて進めてきた原子力安全文化醸成活動や、福島第一原子力発電所事故の教訓・反省を踏まえた安全性向上の取組について説明した。安全性向上対策としては、想定外領域を認識させるためのシナリオ一部非提示型訓練や、同社独自の設備保全技術としている「故障予兆監視システム」などが披露された。
委員との質疑で、点検不備問題の最終報告日だった6月3日を「原子力安全文化の日」としていることについて、苅田社長は、長い年月で教訓を風化させないよう継続していくことが大事だと述べた。
また、田中俊一委員長は、地元とのコミュニケーション活動について、福島第一原子力発電所事故以前は「事故は起きない」としていた電力会社の説明の仕方を振り返った上、新規制基準では、炉心損傷を想定したフィルタ・ベントを設置しても放射能が放出されるという不安の声もあることから、定量的・科学的な理解が必要なことを述べた。
一方、中国電力は、事業者側の要望として、対話活動の経験から、規制委員会も地元との意見交換の場に立つよう求めるなどした。