規制委員会が原子力安全文化に関する宣言
原子力規制委員会の「原子力安全文化に関する宣言」が概ねまとまった。5月27日の定例会合で示された案文によると、「原子力の利用に当たって最も優先されるべきは安全である。これを認識し、継続して実践することを安全文化といい、安全文化の醸成は原子力に携わるすべての者の務めである」とうたい、原子力規制庁職員も含め同委自らが率先して行動するための指針として、「安全の最優先」、「リスクの程度を考慮した意思決定」、「安全文化の浸透と維持向上」、「高度な専門性の保持と組織的な学習」、「コミュニケーションの充実」、「常に問いかける姿勢」、「厳格かつ慎重な判断と迅速な行動」、「核セキュリティとの調和」について述べている。
「安全の最優先」では、福島第一原子力発電所事故の教訓に立ち、「100%の安全はない、重大な事故は起こり得るとの透徹した認識」のもとで、規制委員会が使命とする「人と環境を守る」ことを述べている。
宣言の作成に当たっては、規制庁職員内でも議論させ、意見を求めるなどしており、「コミュニケーションの充実」では、安全確保は職場内の対話と活発な議論が基本でなければならないとしているほか、透明性を高め、信頼を確保するために、積極的な情報公開に努め外部とのコミュニケーションも十分図るよう求めている。