関経連がエネルギーミックスで提言

2015年4月10日

 関西経済団体連合会は4月9日、2030年を目標とするエネルギーミックス構築に向けた提言を発表した。福島第一原子力発電所事故以降のエネルギー政策の混乱により、「中堅・中小企業が多い関西地域の産業・雇用に甚大かつ取り返しのつかない悪影響を及ぼしかねない」との懸念を示した上で、安全性、エネルギーセキュリティ確保、環境と経済の両立に、マクロ経済への影響を加えた「S+3E+M」の観点で、バランスのとれたエネルギーミックスの構築を政府に対し要望するもの。
 それによると、原子力については、エネルギー自給率向上への貢献、優れた経済性、CO2排出量の低さなどの特性を踏まえ、安全性の確保を大前提に引き続き一定規模を維持、活用すべきとし、(1)再稼働プロセスの加速化、(2)安全性が確認された原子力発電所の早期稼働、(3)40年運転制度の見直し、(4)既設プラントの最大限活用と国の方針に基づいた新増設・リプレースの推進、(5)核燃料サイクルの着実な推進を求めている。
 また、再生可能エネルギー、化石燃料など、各エネルギー源に対する政策と合せて、電力・ガスシステム改革の実現、わが国全体のエネルギー消費量の抑制、水素活用、エネルギーミックス構築を担う技術・人材についても十分な対応が必要だとしている
 望ましいエネルギーミックスとしては、震災以降40%まで落ち込んだベースロード電源を、震災前の60%以上の水準に回復させることが必要不可欠とした上で、原子力比率は25%、一方で、再生可能エネルギーはコストや安定性を考慮して20%以下などと提案している。