高専機構が原子力人材でフォーラム開催
国立高等専門学校機構の2014年度原子力人材育成事業フォーラムが3月16日に芝浦のキャンパス・イノベーションセンターで開催された。このフォーラムは国立高専機構が文部科学省「国際原子力人材育成イニシアティブ事業」として採択された2014年度から3年間実施する事業の成果報告会であり、当日は、各地の高専から先生と学生合わせて約50名が参加した。紀聖治国立高専機構理事の主催者挨拶、日本原子力研究開発機構の村上博幸原子力人材育成センター長による基調講演、学生による原子力・放射線関連卒業研究・特別研究の成果発表、参加高専の取組成果発表(ポスターセッション)が行われた。
高専機構の紀聖治理事からは「震災から、自然エネルギーの人智を超えた力や影響力を思い知らされたが、それでも、地球、人類の未来を考えると、原子力エネルギーの重要さは変わらないと思う。震災を経験しそれを乗越え、原子力の安全利用を担う人材育成事業を行っていきたい」との挨拶があり、高専の卒業生の約5%が電力関連に就職している中、原子力を学ぶ学科がない現状で、このような取組みの重要性が訴えらえた。
ポスターセッションの後は、本活動についての意見交換が活発に行われ、参加した先生からは「将来のキャリアデザインを示せる取組みにしてほしい」、また、学生から、「日頃、原子力の研究を一人でやっている。他の人はどんなことをやっているか不安だったが、今日他の学校の発表を見て参考になった」等の意見があった。
国立高専機構では今後、原子力を体系的に学べる環境整備を強化し、全国の高専51校全てが参加できるような体制作りを目指していく。