J-PARCハドロン実験施設の利用運転再開
高エネルギー加速器研究機構と日本原子力研究開発機構は4月24日、茨城県東海村にあるJ-PARCハドロン実験施設の利用運転を再開した。国内外の大学・研究機関などのグループがハドロンやミューオンの性質を調べることで物質の起源を解明していく。
同施設では2013年5月、ハドロン実験装置で実験中の誤作動により、標的(金)に想定以上のビームが照射されて一部蒸発し、生成された放射性物質によって34名の作業者が被ばく(最大実効線量1.7mSv)を受けたほか、微量の放射性物質が管理区域外に漏れる事故が起こった。同事故は、国際原子力・放射線事象評価尺度(INES)により「レベル1(逸脱)」の評価が下った。
事故以降は運転を停止していたが、排風ファンを撤去・封止したり、一次ビームライン境界の気密性を高めたりするなど、再発防止や安全管理強化を図ってきた。また、2015年4月9日にビームの性能確認を行い、4月20日付で放射線障害防止法に基づく施設検査に合格して、今回の再開に至った。