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韓国原産視察団の来訪協力(報告)

2019年7月17日

 当協会は韓国との協力活動の一環として、7月8日(月)~11日(木)に来日した韓国原子力産業会議(KAIF)の視察団によるJAEA楢葉遠隔技術開発センター、廃炉国際共同研究センター(CLADS)、大熊分析・研究センター、東京電力福島第一原子力発電所、東北電力女川原子力発電所への訪問実施に協力しました。韓国の原子力産業界では、原子力発電所の安全性向上および初めて直面している廃止措置への取り組みの一環として、海外における安全対策、廃止措置の現状、技術開発の動向などについての調査を進めています。
 今回の訪問では、韓国水力原子力株式会社(KHNP)ハン・サンウク技術戦略部門執行役副社長を団長とする視察団に、韓国電力プラントサービス・エンジニアリングをはじめ、現代建設、ナイルプラント、ハナニュークリアパワーエンジニアリング、韓国原子力環境公団等の原子力関連企業・組織から計17名が参加し、福島第一原子力発電所の廃炉状況やそれに関わる遠隔技術開発、廃炉研究の最新動向、女川原子力発電所再稼動に向けた安全対策への取り組みなどについて知見を深めました。
 7月8日(月)、仙台空港に到着した一行は福島へ移動し、JAEA楢葉遠隔技術開発センターを訪問しました。はじめに研究管理棟で石原センター長による施設概要説明を受けた後、試験棟内部でサプレッションチェンバー(S/C)、原子炉格納容器(PCV)の補修・止水技術、ロボット試験用水槽、モックアップ階段、モーションキャプチャ技術等を見学しました。続いて、福島第一原子炉建屋内のバーチャル・リアリティ(VR)体験を行い、福島第一の廃止措置に向けた遠隔技術の開発動向や最新状況を把握しました。

楢葉遠隔技術開発センターでの
モーションキャプチャ技術見学

廃炉国際共同研究センター(CLADS)での集合写真

 7月9日(火)の午前中には、JAEA廃炉国際共同研究センター(CLADS)を訪問しました。まず木村センター長代理からの施設概況説明を受け、研究室及び多目的試験棟を見学しました。続いて韓国側が「韓国における廃炉計画と政策」と題して発表を行い、韓国国内の廃炉に関する状況を説明しました。その後の意見交換を通し、廃炉に関わる技術開発、研究などの情報交換を行いました。午後からは、廃炉資料館の見学後、福島第一廃炉推進カンパニー師尾バイスプレジデントによる挨拶と廃炉コミュニケーションセンター植田視察コミュニケーションGMによる概要説明を受けた後、福島第一原子力発電所に移動し、視察バスで構内を移動しながら1号機~4号機の現状および多核種除去設備や凍土遮水壁設備、固体廃棄物焼却設備、免震重要棟などの視察を行いました。

東京電力廃炉資料館での見学の様子

東京電力福島第一廃炉推進カンパニー師尾VP

 7月10日(水)は、午前中にJAEA大熊分析・研究センターを訪問し、施設管理等にて佐藤副センター長によるセンターの概要説明を受け、施設内の鉄セル、グローブボックス等のモックアップを体験しました。その後、現在建設中の第一棟(福島第一廃炉に伴う、低・中線量のガレキ類、焼却灰、水処理二次廃棄物等の分析を行う施設)を屋外より見学しました。午後からは仙台へ移動し、荒浜地区等の津波被災エリアを回り、震災遺構仙台市立荒浜小学校とせんだい3.11メモリアル交流館を訪問しました。各訪問先でガイドの方から震災発生当日の様子や津波被害の概況、現在の復興状況等の説明を受け、視察団員は皆、真剣な表情で話を聞いていました。

JAEA大熊分析・研究センターでの概要説明の様子

震災遺構仙台市立荒浜小学校の見学の様子

女川原子力発電所での意見交換の様子

 最終日の7月11日(木)は、東北電力女川原子力発電所を訪問しました。若林執行役員・女川原子力発電所長による歓迎の挨拶と発電所の概要説明を受け、防潮堤,淡水貯水槽,大容量電源装置等の屋外設備の視察を行いました。また今回は特別に、韓国側から要望のあった免震構造部分の見学が実現し、耐震設計等に携わる参加者は熱心に説明員の方の話を聞いていました。最後に、韓国側から「原子力発電所の耐震設計と安全性強化」と題した発表が行われた後、日韓双方で質疑応答が行われ、活発な意見交換が行われました。

 今回の訪問での視察や受け入れ先施設との意見交換等を通して、福島や宮城の復興状況、また福島第一原子力発電所の廃炉状況や女川原子力発電所の再稼働への取り組みを知り、参加者は皆、新鮮な印象を受けている様子でした。KHNPのハン・サンウク執行役副社長は「今回の訪問で我々は、福島第一原子力発電所の廃止措置の進捗状況を詳細に学ぶことができ、さらに、困難な状況下でも福島を復興させようと取り組む、地元住民の熱意も感じることができた。韓国と日本ではシステムや基準は異なるが、我々は日本の運転システムや安全意識、廃止措置の準備などについて、もっと多くのことを学び知見を深める必要があるということに気づいた。 今回の訪問を通じて、日韓の協力がますます促進されることを願っている。」との感想があり、今後の廃炉や安全対策に向けた日本との技術的協力を求める声も挙がりました。
 今回の視察は、現在稼働中の原子炉に対するさらなる耐震対策や、これから廃止措置作業が始まる韓国にとって、大変有意義な機会となりました。当協会としましては、今後も日本の原子力産業のプレゼンス向上に資すると同時に、海外とくに東アジア近隣諸国・地域の専門家による施設見学などを実施し、福島の正しい姿が認識され、原子力の安全向上への取組みの知見共有と風評被害の払拭に取り組むなどの理解促進活動を継続的に行って参ります。

お問い合わせ先:国際部 TEL:03-6256-9313(直通)

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