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第34回 韓国原子力産業会議年次大会(KAP 2019)「原子力60周年、新たな役割と責務」参加報告(2019.5.21~22)

2019年6月20日

当協会は、韓国原子力産業会議の第34回年次大会(KAP2019)に傍聴参加しました。今大会は、韓国における原子力開発の60周年を記念する大会となり、5月21日(火)、22(水)の2日間、済州島の国際コンベンションセンターで開催されました。大会の基調テーマは、「原子力60周年、新たな役割と責務」で、特別セッション、パネルセッション(セッション1、2のパラレル開催)及び原子力開発60周年記念式典と国際原子力産業展示会で構成されており、参加者数は、1日目が約250名、2日目(60周年記念式典・展示含む)には約400名程度の参加がありました。

 

KAP2019 開催会場の様子

セッション2 パネルの様子

一日目に行われた特別セッションでは、「運転の安全性強化、廃炉及び高レベル放射性廃棄物」をテーマに、韓国エネルギー技術評価・企画院(KETEP)、韓国電力技術(KEPCO-E&C)、韓国水力・原子力(KHNP)、韓国電力KPS(KEPCO-KPS)、韓国原子力環境公団(KORAD)からの発表があり、日本からは、東京電力ホールディングス(株)の村野 兼司 原子力運営管理部長より、「東京電力HDにおける原子力発電所の現状」というテーマで発表が行われました。

文在寅政権における脱原子力政策のもと、韓国では、2018年にエネルギー転換の補足的措置(政府による支援策)などがとられており、環境変化のなかで、原子力産業については、安全性や海外輸出、廃止措置分野(D&D:Decontamination and Dismantling)での推進戦略、また、インフラの創設などを進め、このビジネス分野を一層強化していくことなどの発表がありました。また、韓国においては、引き続き東京電力の福島第一原子力発電所の現状への関心は高く、高台にある施設(特重施設)が、日本の新規制基準によるものか、日本では建設中の原子力発電所はあるか、原子力技術者の維持についてはどのような対策を行っているのか、などの質疑が行われました。

二日目のパネルセッションでは、セッション1で「海外展開に向け、そして原子力ビジネスの復興へ」、セッション2では「気候変動対策でのエネルギーミックスにおける原子力」というそれぞれのテーマで発表とパネルが行われました。(パラレル開催)
セッション2では、韓国極地研究院(KOPRI)、フランス原子力・代替エネルギー庁(CEA)、英国を代表して在東京英国大使館からの発表があり、日本からは、京都大学教授で日本原子力学会副会長の中島 健氏より「日本における原子力の現状と役割」についての発表が行われました。
パネルでは、日本における2050年までにCO2排出の80%削減目標の実現性などについての質疑や、また、グローバルな観点から気温上昇を1.5~2.0%に抑える(IPCC特別報告書に基づく)ために、韓国においてはエネルギー効率性の推進が必要であり、生産・消費活動の中でエネルギーを効率的に利用する必要がある点、また、この2年間は脱原子力の方向性がとられているが、安価で低炭素だけでは原子力を評価できず、次のステップとして巻き返すには技術革新が必要であることなどについて、パネリストからのコメントが行われました。

原子力60周年記念式典

表彰式

二日目の後半からは、原子力開発60周年記念式典と引き続いての基調講演が韓国政府、UAE、米国からの3者により行われました。韓国産業通商資源部(MOTIE)エネルギー資源局のYoung-joon Joo局長からは、これまで60年間原子力利用が韓国の経済成長に多大な貢献をしていることに関し、産業界がこれまで成し遂げた努力への感謝が述べられると同時に、世界的なエネルギー環境に見る韓国のエネルギー政策の方向性について、また、2019年の主なエネルギー政策実施スケジュールなどについての講演が行われ、

① 従来の産業にとらわれず、政府の最優先事項である雇用創出の面からは、再生可能エネルギーやエネルギー効率性が重要であり、水素に関わるものに注目している。
② 韓国の現状としては、エネルギー転換の新しい方法論を展開する必要がある。
③ 原子力発電所の廃止措置については、大変需要があるため、D&D(Decontamination and Dismantling)の市場を成長させる。
④ エネルギー転換においては、国内エネルギー産業における競争力の低下を心配するが、原子力を新エネルギーに転換するものの、エコシステムを脅かすものであってはならないという議論を行っている、などの言及がありました。

UAEからの発表の様子

また、UAE原子力会社(ENEC)CEO のMohamed Al Hammadi氏より、韓国における原子力開発の60周年記念にあたり、その顕著な進展を称える祝辞とともに、UAEは、将来のため原子力の平和利用を通してこの安全で信頼性があり価値のある低炭素電源の恩恵を受けるとともに、その平和的な原子力利用と韓国の技術により、高いエネルギー安全保障を確保する決心をしている。そして韓国のパートナーとともに成長していく、などの発表がありました。
最後には、米国NEI CEOのMaria Korsnick氏より、韓国はこの産業ですでに競争力の先端におり、その製造能力は世界のサプライチェーンでの役割を果たしている。今が先端技術に投資する時で、現在の原子力産業を維持するため改革をし続け、雇用を維持し、リードしていく時である。原子力のアドバンテージは、24時間365日(24/7/365)稼働することであり、必要な未来は原子力抜きには実現できない、との講演がありました。

【国際原子力産業展示会・レセプション】

国際原子力展示会の様子

KHNPを代表とする韓国国内企業、及び海外からは、Orano, Framatom, WEC(Westinghouse Electric Company LLC.)などの企業の展示出展がありました。

60周年の盛大な記念式典では、式典の後VIPが各ブースを廻る形式が取られ、これらのブースでは企業の広報関係代表が挨拶・紹介を行い、メディアと思われるカメラ撮影なども行われていました。

同展示会場でのレセプションが行われ、当協会より、韓国原産会長、副会長への表敬などを行いました。

お問い合わせ先:国際部 TEL:03-6256-9313(直通)

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