近畿大学で教員向けの「原子炉実験研修会」が開かれました(参加報告)

2017年8月8日

 近畿大学原子力研究所では、2017年7月28日(金)〜29日(土)、原子炉(熱出力1W、以下 近大炉)を使った中高教員向け実験・研修会が開催され、当協会職員が見学しました。
 研修会の目的は、放射線や原子力について教える学校教員の基礎知識や指導力の向上に資することです。
近大炉は、新規制基準対応のため、2014年2月から運転を停止していましたが、今年3月に合格証を受け、4月から再稼働し、このほど4年ぶりに教員研修会が再開されたものです。当協会は開催案内等について協力しています。
 今回の研修会は、中学理科教員を主な対象とし、定員15名のところ8名が参加しました。内訳は、中学教員6名(理科3、技術・家庭2、国語・社会1)、高校教員1名(情報技術)、高専教員1名(化学)で、全員男性でした。地域別では、関西方面が5名(大阪1、京都1、兵庫2、奈良1)のほか、東京、山形、愛媛が各1名でした。
 内容は、(講義)保安教育、原子炉の基礎、放射線の基礎知識、放射線の利用、放射線の健康影響、(実習)原子炉運転、中性子ラジオグラフィ、環境放射線の測定、放射線の性質、および(見学)原子炉見学です。放射線・原子力の基礎から応用、実習、実験まで網羅されています。教員は熱心に説明を聞き質問していました。原子炉制御盤のスイッチを操作して出力を上げ下げし、臨界状態を維持することを順番に体験しました。
 講師陣は、原子力研究所の伊藤哲夫所長はじめ教職員10名が専門分野に応じて分担しました。
開講挨拶した山西弘城教授(管理部長)より、今回の新規制基準対応について、「電気出力110万kWなら熱出力約330万kWに相当する発電炉に比べ、熱出力1Wの近大炉は、30億分の1である。にもかかわらず、審査にあたり近大炉には発電炉と同様の基準が適用された」、また、「近大炉は研究炉として最初の新規制審査の対象となったため、規制側も大学側も不慣れで合格するまで3年かかった」と苦労の一端が紹介され、うなずく教員もありました。
 東京から参加した教員は、近大炉の研修会がしばらく中断しているとわかっていたが、今回再開したことを知り参加できてよかったので、地元の研究会で紹介したいと話していました。また、有意義な研修だったので、同僚の教員や中学教員をしている妻にも研修会のことを教えたいと話していた教員もありました。
 なお、教員研修会は、関西原子力懇談会が協力しているものとあわせて、この7月〜8月に計4回開催が予定されています。

制御盤前での実習

原子炉(熱出力1W)

お問い合わせ先:人材育成部 TEL:03-6256-9315(直通)

協会からのお知らせ一覧へ戻る