OECD/NEA報告書「原子力発電所の長期運転と脱炭素化戦略」について

2021年9月17日

経済協力開発機構・原子力機関(OECD/NEA)は2021年7月29日、報告書「原子力発電所の長期運転と脱炭素化戦略」を発表しました。温暖化対策の緊要性が増すにつれ、原子力を利用する国々が益々野心的な脱炭素化目標に取り組む中で、原子力発電所の長期運転(LTO)に対する関心が高まっています。こうした動きを受けて原子力機関(NEA)は2019 年に原子力発電所の長期運転のための法的枠組みに関する報告書を発表しました。これは、原子炉の長期運転の法的・規制的意味を総合的に評価した最初の報告書です。国際エネルギー機関(IEA)も同じ年に、報告書「クリーンエネルギーシステムにおける原子力発電」を発表し、持続可能な開発目標を確保する上で運転認可の延長が不可欠な役割を果たすことを強調しました。

今回のNEA の報告書は、これら2 つの報告書を集大成する形でまとめたものと言えるものです。マグウッドNEA 事務局長は序文で、「仮に40 年の運転後に殆どの原子力発電所が閉鎖することになれば、電力システムはかなりのストレスを受け、炭素排出実質ゼロの目標が遠のいてしまう可能性がある。この状況は、各国が排出削減目標を達成するために給電可能な大量の化石燃料発電の廃止を並行的に進めている中で、脱炭素化の取り組みを妨げるだけでなく、 電力供給の安全保障と手頃さ(手頃な価格)を損なうことにつながる。」と述べ、長期運転の重要性を強調しています。

報告書は約150 頁からなり、エグゼクティブ・サマリーに続いて、原子力発電を取り巻く環境、LTO の役割を述べ(第1章)、LTO の実現に向けて、LTO の外部環境としてエネルギー政策の側面と規制・法的側面を分析し(第2,3章)、次いで原子力発電所の内部能力として技術的側面、運転・人的側面、経済的側面を検討し(第4,5,6章)、最後に結論と勧告で締め括っています(第7章)。

エグゼクティブ・サマリーの概要紹介はこちらからご覧下さい。

以 上

お問い合わせ先:情報・コミュニケーション部 TEL:03-6256-9312(直通)

協会からのお知らせ一覧へ戻る