[原子力産業新聞] 1999年11月11日 第2012号 <3面>

仏議会科技評価局、廃棄物管理政策で報告書案の修正求める

フランス議会の科学技術オプション評価局(OPECST)は10月27日の公式会議でM・リバジ議員が提出した放射性廃棄物管理に関する報告書を審査し、翌日、報告書の大筋は承認できるものの、一部の支持しかねる勧告については国民を交えた幅広い議論を経て修正を加えるよう要請した。

リバジ議員の報告書は「放射性廃棄物が公衆の健康と影響に与える影響」というタイトルで、同議員も所属するOPECSTの後援により作成された。OPECSTの報告書は伝統的にフランスの政策立案において影響力を発揮するものと認識されている。

今回OPECSTは、リバジ議員の勧告の中でも以下の部分は原則的に受け入れるとの認識を示した。すなわち、1.放射性廃棄物の環境へのさらなる放出を削減する、2.放射性廃棄物管理の責任全般を国レベルで明確に定める、3.原子力規制部門を多元化させる、4.放射性廃棄物の健康影響評価に用いる手法や機器類を増強する、など。

しかしその一方で0PECSTは、1.放射性廃棄物管理庁(ANDRA)に全国の廃案物を一括して管理させる、2.環境へのリスクはなくなったと判断できる放射能レベルについての提案、などの点には同意できないと言明。この報告書をそのまま発行する前に公聴会などを実施して検討を重ね、内容を修正するよう要請したもの。これを受けて、リバジ議員も来年早々にも公聴会の開催を計画していると伝えられている。

なお、同議員は反原子力組織であるCRII-RADの創設メンバーでもある。


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