[原子力産業新聞] 1999年11月11日 第2012号 <3面>

エンタジー社、さらに2基の購入で交渉開始

米国のエンタジー・ニュークリア社は、このほどニューヨーク州で稼働するフィッツパトリック原子力発電所(82万9千キロワット、BWR)およびインディアンポイント3号機(102万3千キロワット、PWR)の買収で、所有者であるニューヨーク電力公社(NYPA)と独占交渉を開始したことを明らかにした。

両社とも「正式な合意に達するまで経過報告を発表するつもりはない」としながらも、エンタジー社の役員は8日から2週間、両炉の資産価値精査を実施する計画だと伝えている。

ニューヨーク州における電力供給の4分の1以上を引き受けているNYPAは米国でも最大の公営電力会社。同社は基本的には両炉の売却にはさほど乗り気ではなく、交渉がまとまるとすれば、1.同州での安全かつ効率的な運転、2.発電所の価値を反映した価格、3.NYPA従業員の雇用機会の保障、4.NYPAが引き続いて需要家達に奉仕できる内容の電力購入契約、5.電力市場の自由競争および同州の経済発展を促進する売却、などの条件が満たされた場合になるとM・ペトラリア報道官が述べたと伝えられている。

エンタジー・ニュークリア社は、ニューオリンズを拠点に世界中で250万もの顧客を抱えるエンタジー・コーポレーションの子会社。すでに米国内で5基の原子力発電所を運転しているほか、最近では7月にボストン・エジソン社からピルグリム原子力発電所(69万6千キロワット、BWR)を購入する契約をまとめている。


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