[原子力産業新聞] 1999年11月18日 第2013号 <1面>

来月にも「NSネット」設立へ 会員数35、任意団体でスタート

電力業界中心に、チェック機関「評議会」設置も

電気事業連合会の太田宏次会長は12日、定例記者会見で、茨城県・東梅村のJCO施設臨界事故を受け電力業界が中心となって設立する、原子力産業における安全文化を共有化するための新しい組織「ニュークリアセイフティネットワーク(NSネット)」の概要を明らかにした。NSネットは当初は原子力産業に携わる電力、燃料加工会社、プラントメーカー、研究機関など合計35社・機関を会員とする任意団体としてスタートし、将来的には法人化も検討。また世界原子力発電事業者協会(WAN0)の活動を参考にした、会員間の相互評価(ピアレビュー)を活動の中心に据え、セミナーの開催や安全教育の実施といった安全文化の普及、情報交換・発信などを行っていく方針だ。なお太田会長は、「12月のなるべく早い時期」に設立したいとの意向を示している。

12日の会見で太田会長は、「どこにも属さない、新たなる民間主体の任意団体」としてスタートするNSネットについて、「多数の企業や団体がイコール・パートナーとして水平的、双方向的に繋がり、自主的に情報交換やチェックをし合う」組織を目指すという方針から、その活動の中心を、会員各社のメンバーからなる混成チームが2年程度で全会員の関係施設を相互に訪問し合い、組織、運営、教育・訓練、放射線管理など共通のテーマについて対等の立場から情報交換・チェックを行うという、WAN0のピアレビューの手法を参考にした「相互評価=ピアレビュー」とすることを明らかにした。

またその他の活動内容としては、コンピュータネットワークなどを利用した「情報交換・発信」として、現在電力中央研究所で構築している原子力のトラブル情報などに関するデータベースシステムの利用を全会員にまで拡大し、国内の原子力産業全体でトラブル情報などを共有化することや、ヒューマンファクターに関する電中研の成果を活用し、安全教育を支援することが考えられている。またNSネット主催セミナーや日本原子力産業会議ほか関連団体との共催セミナーなどの開催、安全教育・研修会などの開催、ホームページの開設、パンフレット・定期刊行物の発行を行うなどして、「安全文化の普及」を行うことも計画されている。

なお太田会長は、このような活動が「自己満足や独りよがりに陥らないように」するために、活動内容に対する外部のチェック機関として有識者、評論家、マスコミなどから5〜6名を選んでメンバーとする「評議会」を設置する方針としている。

また同会長は、臨界事故が企業モラルや安金文化の欠如が原因で起こったことに「大きなショックを受けた」ことから、安全文化の共有化および向上を図るための組織を「できるだけ早く設立してまいりたいと考えている」として、11月の第3週にも「参加を予定している企業・団体から数人を出していただき『NSネット設立準備室』を設置」して詳細な詰めを行ったうえで、「12月の早い時期に設立総会を開催し、正式に組織を立ち上げたい」と述べた。


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