[原子力産業新聞] 2000年1月5日 第2019号 <3面>

[EUサミット] 中・東欧の新加盟で、原子力安全確保が条件

昨年12月中旬にフィランドのヘルシンキで開かれていた欧州連合(EU)の理事会サミットは、中・東欧諸国の新規加盟においては原子力安全レベルの向上が必須との認識を強調して閉幕した。

現在15か国の加盟国を抱えるEUでは、これに中・東欧諸国を加えて27か国に拡大することを計画。チェコやハンガリーなど第一陣の6か国とは昨年3月から加盟交渉を開始している。今回は欧州委員会(EC)が提出した最新の勧告文書に従い、旧ソ連型原子炉が稼働するリトアニア、スロバキア、ブルガリアを含めた第二陣の6か国との交渉を2000年に開始すべきかどうかについて審議が行われた。

その結果、第一陣の6か国との交渉が順調に進捗していることに満足の意が示されるとともに、昨年の後半にそれぞれ旧型炉の早期閉鎖計画を提示したリトアニア、スロバキア、ブルガリアのほか、ルーマニアおよび非原子力国であるラトビア、マルタ、との加盟交渉を今年2月にも開始することで合意。少なくとも第一陣の6か国とは2002年末までに交渉をまとめる準備をすべきだとの結論に達したとしている。

判断材料としては、ECの報告書のほかに、昨年末に創設されたばかりの西欧原子力規制者協会(WENRA)がまとめた中・東欧諸国における原子力安全改善状況に関する未公表の報告書も利用されたと伝えられている。今回の審議ではまた、トルコを加盟候補国の一つに加えることで合意に達した。


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