[原子力産業新聞] 2000年1月13日 第2020号 <3面>

[中国] 新規原発出資計画に調印

山東省海陽に100万kW級を2基、2003年の着工目指す

中国山東省に投資総額250億元(約3,150億円)で新たな100万キロワット級原子炉2基を建設するための出資趣意(計画)書が12月25日に北京で正式に調印された。

この計画は中国沿海地区のエネルギー構造と環境を改善し、中国の原子力発電所国産化事業を促進するために実施されるもので、サイトは山東半島・青島の北東100kmに位置する海陽(ハイヤン)に予定されている。今後さらに、政府の国家発展計画委員会による承認が必要だが、出資趣意書では国家電力公司が40%、山東電力集団公司が25%、中国核工業集団公司が20%、山東省国際信託投資公司が10%、煙台電力開発が5%を出資することで合意された。一期工事となる1、2号機の建設作業は2003年の開始を目指す。

中国では現在、浙江省で秦山原子力発電所、広東省で大亜湾原子力発電所が稼働中。両省では後続の原子炉がさらに建設されているほか、江蘇省連雲港では田湾発電所の建設計画が進められている。山東省では今のところすべての電力を火力で賄っているものの、長期的にこれを拡大していくには淡水資源、環境保護などの点で制約がある。このため、同省の長い海岸線、良好な地質、地震による震度の小ささ、沖合の水深などは原子力発電所を建設するのに最も現実的かつ合理的な選択と受けとめられている。

同省での原発開発の事前準備はすでに83年に開始され、事業化調査(FS)報告は95年8月に関係部門の審査をクリア。事業提案書が97年7月に国家計画委に提出されたほか、FS報告も昨年中に作成が完了している。
(中国通信)


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