[原子力産業新聞] 2000年1月20日 第2021号 <3面>

[米国] 食肉への放射線照射を解禁

2月から実施へ、「照射済み」の表示義務づけ

米国農務省の食品安全検査局(FSIS)は12月23日に食中毒の原因となる病原体の滅菌を目的とした生肉、冷凍肉および肉加工食品への放射線照射を可能にする実施規則改訂を正式に完了し、2月22日から産業界で施行されることになった。

米国では病原性大腸菌O-157やサルモネラ菌、リステリア菌などを原因とする食中毒で年間約5,000人の死者がでていることから、94年に英国系の殺菌関連会社であるアイソメディックス社が業界を代表して食肉への放射線照射を申請。それ以来、「農場から食卓に至るまで」の食品の安全性確立を目指す米国政府は、世界中で実施された各種調査のデータを基に照射が食肉に及ぼす化学変化や栄養素への影響、潜在的な毒性、病原性微生物への効果など、さまざまな点について分析していた。

97年12月に厚生省・食品医薬品局(FDA)が牛、豚、子羊の生肉への照射上限値を4.5キログレイ(Gy)、冷凍肉については7.0キログレイとする原則を認可したのに基づき、99年2月にはFSISが産業サイドの実施規則を改訂するための案を国民に提示。同年6月までの公開期間に全国から寄せられた意見や疑問その他の問い合わせの一つ一つに回答を示すとともにもに、実施規則の改訂作業を進めていたもの。同規則は次のような事項を条件に最終決定されている。

1.病原体数の削減と保存期間の延長を目的に放射線照射を行う場合、冷蔵肉については上限値を4.5キログレイ、冷凍肉については7キログレイとする、 2.これらの食肉製品および家禽類への照射制度は必ずHACCP(危害分析重要管理方式)に従うものとする、 3.同制度では照射を受けた食肉製品の吸収線量測定を義務づける 4.同制度は米国原子力規制委員会(NRC)その他の連邦機関の照射規則を遵守する形での書類手続きを義務づける、 5.照射を受けた食肉製品および家禽類には照射済みであることを示す国際認識ロゴ・マークの添付を義務づけるほか、商品名に「照射済み」の語句を付け加える、もしくは「放射線による処理済み」と表示したラベルを添付する、 6.複数の原料で製造された食品の中に照射された食肉製品および家禽類が含まれる場合は、最終成分表示にその旨を記載する、 7.家禽製品に関する照射規則は、照射上限値が3キログレイであることと家禽肉がパック詰めされた後に照射を受けた場合の規制項目を 除けば完全に食肉製品の規則と一致している−など。


Copyright (C) 1999 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM,INC. All rights Reserved.