[原子力産業新聞] 2000年1月27日 第2022号 <1面>

[原電] 敦賀2、半年ぶり再起動

日本原子力発電は25日午前9時、昨年7月に発生した一時冷却水漏洩のために原子炉を手動停止し、そのまま11月から定期検査を行っていた敦賀発電所2号機(PWR、116万キロワット)の原子炉を起動した。今後は調整運転に入り、2月の下旬には通産省の最終検査を受け、約7カ月振りに戦列へ復帰する予定となっている。

 漏洩原因について原電は、「再生熱交換器の内部構造に起因して当該連絡配管などに高サイクル熱疲労割れが発生したため」としており、11月から再発防止工事を含めた定検作業を実施していた。

 対策工事としては(1)化学体積制御系再生熱交換器を、内筒を持たない構造のものに交換(2)高サイクル熱疲労対策については超音波探傷検査による健全性の確認を実施するなど、定検の充実(3)漏洩箇所早期特定のための監視カメラ(9台)の設置、運転パラメータの記録機能の拡充、運転手順書の整備など運転管理面の改善――などを行い、万全を期した。

 この他では蒸気発生器への不純物持込みの低減化を図るため、湿分分離加熱器・スチームコンバーター等の伝熱管の取り替え工事も合わせて実施した。なお燃料集合体および蒸気発生器の伝熱管全数(1万3,524本)については検査の結果、異常は認められなかった。


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