[原子力産業新聞] 2000年2月3日 第2023号 <4面>

[民主党] 原子力を過渡的エネと位置付け

 民主党は1月の定期党大会で採択した次期総選挙に向けた政策のなかで、「循環型経済社会を目指した省エネルギー国家の構築」を打ち出すとともに、原子力については過渡的エネルギーと位値付け、万一に備えた防災体制を確立した上で慎重に推進していく方針を示した。

 政策では、特に風力や太陽光など再生可能なエネルギーの総発電量に占める割合を2025年までに10%とする目標を掲げ、新エネルギーの研究開発と普及促進のための予算を大幅に増額したり、核融合など未来エネルギーの研究開発を積極的に推進するとしている。

 原子力については、JCO臨界事故の影響を受け、過渡的エネルギーと位置付けるに止まった。安全性を最優先させ、万一に備えた防災体制を確立した上で慎重に推進するとしている。さらに、同党は今国会に原子力安全委員会を現行の8条機関より強い権限を持つ3条機関に改組する「原子力安全規制委員会設置法案」を提出することになっており、原子力安全規制の独立性および安全チェック機能の強化を提言している。

 また、わかりやすい情報の提供や情報開示を行う「原子力情報公開ガイドライン」の設立や、アジア地域における原子力開発の安全技術支援のための国際組織「ASIAT0M」の創設も盛り込んだ。

 一方、プルトニウムの再利用については、MOX燃料や高速増殖炉などの研究開発用として使用計画のある分量のみを抽出し、その他の使用済み燃料は中間貯蔵するとしている。またその間、安全確保を前提とした使用済み燃料の国内再処理事業の確立と核燃料サイクルの研究開発を進め、廃炉技術の技術的安定性と併せて、先進国間の協力などを推進するとの方針を示した。


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