[原子力産業新聞] 2000年2月3日 第2023号 <3面>

[フィンランド] 原発支持派が過去最高レベルに

 フィンランドのエネルギー産業連合(FINERGY)が1月5日付けで伝えたところによると、昨年1年間の同国における原子力発電シェアが前年実績を2.6ポイント上回って30%になったほか、年末の2か月で突施された原子力に対する意識調査でも支持派の割合が過去最高レベルに増加したことが明らかになった。

 フィンランドではオルキルオト(各87万キロワット、BWR2基)、□ビーサ(各51万キロワット、VVER2基)の2つの原子力発電所が稼働中。両発電所の合計発電電力量は昨年240億キロワット時を記録しており、98年に2割台だった原子カシェアを3割台に戻した。発電所毎にみると、フィンランド南西部ボスニア湾に面したオルキルオト発電所の2基は、昨年それぞれ96.8%と96.6%という高率の設備利用率を達成。発電電力量も2基合計で98年より6ポイント多い142億キロワット時になり、フィンランドの電力需要の20%を賄った。

 サイトが首都ヘルシンキから50キロメートルしか離れていないロビーサ発電所でも前年実績を4ポイント上回る82億キロワット時を発電しており、初めて八十億キロワット時の大台に乗せた。平均設備利用率は1号機が91%、2号機が93.2%をマークしている。

 好実績の理由としてFINERGYは、年間停止日数の削減とともに原子炉の出力増強および設備の改善を挙げており、オルキルオト発電所では98年に設備改善プログラムを終えたほか、ロビーサ発電所でも2002年までにプログラムを完了する予定であることを伝えている。

 また、FINERGYの委託でギャラッブ・フィンランド社が昨年11月と12月に実施した最新の世論調査によると、原子力発電に対して肯定的な意見を持つ国民の割合は82年に調査を開始して以来最高の41%に達した。この数字は前年実績より3ポイント高く、82年調査との比較では17ポイントの増加となっている。一方、否定灼な意見の持ち主は34%、中立的な立場に立つ人は25%だった。

 なお、新規原発の建設を支持する人の割合は、今回36%で、反対意見の41%に迫る結果になった。6年前の調査でこれらの割合がそれぞれ29%と48%だったことを考え合わせると、原子力に対する国民の意識は着実に改善されて来ているとFINERGYでは分析している。


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