[原子力産業新聞] 2000年2月17日 第2025号 <1面>

[北海道] 深地層研で報告書

 核燃料サイクル開発機構が北海道の幌延町に計画している深地層研究所について、北海道が設置した「深地層研究所計画検討委員会」(委員長・真田俊一副知事)は1日、報告書をまとめた。これを受け、道は同報告書の内容を検討するため「有識者懇談会」(座長・伝法公鷹・藤女子大教授)を設置、初会合を7日に札幌市内で開いた。懇談会は今年度中に検討を終える予定。報告書の題名は「幌延町における深地層研究所(仮称〕計画に対する基本的な考え方について」。昨年1月に道が検討委を設置し、計画の位置づけや内容、放射性廃棄物を持ち込まれることがないようにするための担保措置方策などについて検討してきた。

 報告書によると、放射性廃棄物を持ち込ませないための担保措置方策として、「深地層研究の事業主体となるサイクル機構と道、地元自治体との間で協定を締結する」とし、協定内容は(1)研究実施区域に放射性廃棄物を持ち込まないこと、使用しないこと(2)施設を処分の実施主体へ譲渡・貸与しないこと(3)研究終了後閉鎖し、地下施設を埋め戻すこと(4)中間貯蔵施設を設置しないこと(5)計画の内容を変更する場合は事前に協議すること――などを盛り込む必要があるとしている。その他、情報公開や必要に応じて立入調査ができることなども掲げている。

 また国やサイクル機構への要望としては、「処分場の立地基準や処分地選定に際しての地元の同意を含む処分場の立地プロセスを確立し、地元の意思が反映される法律の整備を国に対して求めていくことが必要」としている。さらにサイクル機構に対しては、積極的な情報公開や計画の一層充実した地元説明を求めている。


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