[原子力産業新聞] 2000年2月17日 第2025号 <2面>

[ドイツ] 「脱原発政策は非現実的」

 昨年末にドイツで行われた最新の世論調査で、ドイツ国民の約半数が現政権の脱原子力政策はあまり現実的ではないと考えていることが判明した。

 この調査を実施したのは世論調査研究を専門とする独立の機関であるアレンスパッハ研究所で、調査結果は1月にベルリンで開催されたドイツ原子力産業会議の年次大会で初めて紹介された。

 同研究所のR・コッヘル所長によると、国民の38%が「現在国内で稼働している原子炉19基は当分の間は運転を継続すべきだ」との意見を持っているだけでなく、25%は古い原子炉を最新型のものに取り替えることを希望、さらに3%は原子力発電設備を「一層拡大すべきだ」と答えたという。その一方で脱原子力を支持する人の割合は39%に留まっている。

 コッヘル所長はまた、「たとえ原子力からの段階的撤退政策が実行に移されたとしても、大多数の国民はドイツが原子力技術の研究を続けていくことを望んでいる」と指摘。具体的には43%が「ドイツの原子力技術はほかの国の原子力安全基準を改善するのに役立つ」と考えているとしており、「そうした技術の研究は原子力を長期的に利用すると決めた国だけが継続すればよい」と回答した37%を上回ったとしている。原子力の安全性に関しては国民の72%が「わが国の水準は最高レベル」と答えており、この点で米国やフランス、スウェーデン、英国より勝っているとの認識であることが判明した。また、近年盛んになった原子力の役割についての政治論争は、国民の中に「原子力はドイツ経済における基本的役目を担っている」との認識を著しく増大させたと指摘しており、数字的にもこのような意見の割合が98年10月調査の42%から今回53%に増加したことを伝えている。


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