[原子力産業新聞] 2000年2月24日 第2026号 <4面>

[日揮] 韓国電力技術と協定

 日揮はこのほど、韓国の大手エンジニアリング会社である韓国電力技術(KOPEC)と放射性廃棄物処理・処分などの原子力分野で包括的な業務協定を結んだ。韓国で昨年、日本からの原子力関連設備の輸入が解禁されたのを受け実現に至ったもので、同分野における日韓両国間で初の本格的な業務協定となる。またKOPECは、朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)による北朝鮮への軽水炉供給国際プロジェクトにも親会社である韓国電力公社の下で参加しており、日揮は今回の提携を通して同プロジェクトヘの参画も図っていきたいとしている。

 韓国では現在、15基の原子炉が稼働中であり、建設中、計画中を含めて計13基の増設計画が進められている。一方、2008年を目処に低レベル放射性廃棄物の処分施設を完成させる予定になっており、原子炉の高経年化対策および廃止措置、放射性廃棄物処理の問題は近未来の課題となっている。KOPECはこのような状況から、同社の技術力向上と国内での事業拡大を図るため、日揮の保有する放射性廃棄物処理技術に注目、日揮の原子力事業の海外展開戦略とも合致し今回の提携となった。日揮は今後、廃棄物の固化処理技術など同社の保有する技術およびエンジニアリングのノウハウを韓国側に提供する。提携期間は当初5年間。

 具体的な内容は、@戦略会議の定期的開催A技術情報交換A韓国国内外の案件に対する共同マーケティングプラン策定C日揮の施設を使ったKOPEC社員のトレーニングD放射性廃棄物の処理・処分や使用済み燃料の移送・中間貯蔵、除染・廃止措置などにおける日揮からKOPECへのコンサルテーション――など。将来的には、両社が共同戦略をとり中国などアジア市場も狙っていく。

 KOPECは1975年に、韓国電力の公社子会社として設立。国内の原子力発電所の建設に関係している。韓国ではPWRは韓国標準型原子炉(KSNP)から韓国次世代型原子炉(KNGR)へと標準化が進められており、ここでもKOPEC社は中心的な役割を果している。


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