[原子力産業新聞] 2000年3月16日 第2029号 <1面>

[住友金属鉱山] JCO事故関連補償、総額130億円程度に

年度内合意に全力

住友金属鉱山は8日、99年度業績の見通しについて公表し、その中で子会社であるジェー・シー・オー(JCO)による臨界事故に伴う補償は5日現在で、示談総額約85億7,000万円となっており、支払い総額は約130億円となる見込みであることを明らかにした。

臨界事故に伴い、近隣住民や事業者等から休業損害や売上減少等のいわゆる風評被害などが発生し、JCOでは昨年10月4日から東海村に相談窓口を開設し被害者の申し出を受付け、事故と相当因果関係にあるものについて補償するとしていた。12月21日から年末にかけて茨城県と東海村の協力を得て、総額約53億円の補償金の一部仮払いを行った。

今年に入り、1月31日から2月25日まで茨城県庁内に、また2月28日から3月4日まで東海村内に、それぞれ窓口を設け補償金の支払い交渉を行ってきた。5日現在では請求件数は約6,010件、示談成立件数は約5,150件となっている。

住友金属鉱山ではこれらの補償金支払い見込み額130億円と、これに加えJCOで発生する通常費用等を合算した計145億円を関係会社支援損失として計上する。

一方、JCOは8日、親会社の公表に合わせ補償の合意状況を明らかにし、今後残っている案件860件(一部の弁護士案件除く)については、地域別に整理がつき次第、具体的な対応方法を検討し、年度内に大半が合意できるように最大限の努力を払っていきたいとしている。また補償の確定払いが年度内に大きな山を越える見通しとなり、行政処分後は業務を補償や安全管理等にシフトさせる必要等から東海駅前に開設していた相談窓口を4月1日から末日までの間にJCO東海事業所内に移設する予定にしている。


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