[原子力産業新聞] 2000年3月23日 第2030号 <1面>

[日米両政府] 軍縮や核不拡散問題で協力

 核不拡散や核軍縮の実現に向け積極的な国際的対応を進めている外務省は、このほど米国政府とこうした問題について協議・協力を行うため「日米軍備管理・軍縮・不拡散・検証委員会」を設置し、初会合を3月に東京で開き、@核兵器拡散防止のための国際体制の強化A包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効による核実験の恒久的禁止――など進めていくことで8日、合意した。委員会は年2回程度開き、協議していく。

 初会合には日本側から服部軍備管理・科学審議官を代表に外務省や科学技術庁などの担当宮が出席。米国側からはホラム国務省次官(大使)をはじめ国務省、国防省、エネルギー省などから14名が出席した。

 8日に共同記者発表した内容によると、委員会は@両国は国際的な軍備管理や軍縮等の維持強化が重要であり、両国で協議を継続することにより、同分野での協力に確固たる基盤を築くことができるA両国は同委を設置し、外交・技術面で広範な間題について定期的な集中討議を行うこととし、NPT体制の強化とCTBTの早期発効が、委員会の当座の最優先課題であるB委員会の活動の一環として、両国の専門家はCTBTの検証体制の有効性を高めるべく可能な手段を探究する――ことが趣旨だと述べている。

 とくにCTBTの核爆発探知技術の一層の向上を図るため、委員会の下に技術者レベルで構成する「検証技術作業グループ」を設置し、当面は@化学的爆発による震源決定較正法A震源データの精度向上B地震に関わる情報の透明性向上――の3項目について取り組むこととし、4月中旬までに詳細な作業計画を確定し、共同プロジェクトの実施のための資金源と作業スケジュールを作成する予定にしている。こうした核軍縮・不拡散問題の解決に向け日米両国が足並みを揃えて取り組むことは「歴史的な日」(8日の発表声明)と両国が称しているように、画期的なことと捉えられている。


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