[原子力産業新聞] 2000年3月23日 第2030号 <2面>

[科技庁] 抜き打ち検査実施へ

 科学技術庁は2日、昨年11月に示された臨界事故調査委員会の提言等の具体化に向けて、本年中を目途に取り組んでいく安全規制体制の強化や防災対策の向上など、フォローアップ事項を安全委に報告した。

 このフォローアップは、@安全規制A事業者への督励・事業者との連携等B人材C防災D情報等の収集E現場の安全確保F周辺住民の健康管理――からなっている。

 まず、安全規制については原子炉等規制法の改正を受けて、速やかに関係政令等の整備などを経て、加工事業に対する検査を実施に移すほか、人員拡充等体制強化を図ることとしている。また、抜き打ち検査実施に向け、国内外の事例を踏まえ検討を進める構え。また、施設ごとの安全委審査指針等の厳格な適用、安全管理情報の体系・電子化、自主保安活動の把握にも努めていく。

 防災については、6月からの施行が予定される原子力防災対策特別措置法運用に向けて、オフサイトセンター整備や各種防災計画の作成・改訂など、ハード・ソフト両面での対応、実践的な防災訓練の実施、他には緊急被曝医療体制強化、放射線防護の知識普及を目指したパンフ・ビデオの提供等をうたっている。

 その他、「NSネットワーク」との連携、人材充実強化に向けた調査・研修、国際ワークショップ開催による最先端の知見の収集、事故現場の安全確保、周辺住民の健康管理にも努める。


Copyright (C) 2000 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.