[原子力産業新聞] 2000年3月23日 第2030号 <3面>

[スイス] 中間貯蔵施設が操業へ

 スイス連邦会議(内閣)が同国北部ビュレンリンゲンのパウル・シェラー研究所サイト内に完成したツヴィラーグ放射性廃棄物集中中間貯蔵施設に最終認可を発給したのを受け、ライプシュタット原子力発電会社は2日、6月にも同発電所(113万5000キロワット、BWR)からの使用済み燃料を搬入する計画であることを明らかにした。

 声明によると、運ばれる使用済み燃料棒は97本で、コンテナ1基の輸送に列車を使うかトラックを使うかなどの詳細は後日公表するとしている。6月から来年の春までに同様の輸送が合計6回、実施される予定だ。

 同発電所ではツヴィラーグでの使用済み燃料中間貯蔵とは別に、フランスのラアーグ再処理工場への輸送もこれまでどおり続けるとコメントしているが、スイスでは昨年6月、原子力法の全面的な改正に際し、新規の使用済み燃料再処理契約締結を禁止するよう連邦政府が提案していた。この案に関して国民の判断を仰ぐための正式な手順がほどなく公表されると見られているが、連邦政府は「もしこれが法制化されたとしても既存の再処理契約に影響を及ぼす心配はない」と説明している。

 ツヴィラーグ施設は最終処分場が完成するまでの間、原子力発電所からの使用済み燃料や低・中レベル放射性廃棄物、医療用、工業用放射性物質も含めたすべての種類の放射性廃葉物を中間貯蔵するためにビュレンリンゲン中間貯蔵会社が96年秋から建設を開始した。廃棄物をパウル・シェラー研究所が開発した方法で圧縮・溶解・固化するコンディショニング設備が併設されているほか、低レベル廃棄物用のプラズマ焼却炉も新設されている。


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