[原子力産業新聞] 2000年3月23日 第2030号 <3面>

[仏・EDF] シボー2号機を送電網に接続

 フランス電力公社(EDF)は4日、同国は初めて国産技術のみで開発した150万キロワット級新型PWR(N4シリーズ)としては最後の1基となるシボー原子力発電所2号機(151万5000キロワット)を正式に送電網に接続したことを明らかにした。

 N4シリーズはフランスがドイツと共同開発している欧州加圧水型炉(EPR)の原型と位置づけられており、これまでにショー原子力発電所B1、B2号機およびシボー1号機(出力はすべて151万5000キロワット)が稼働している。シボー2号機はすでに昨年12月、試験的に短時間だけ国内送電網に接続されていたが、タービン軸を固定する蒸気タービン・ベアリングの潤滑性に問題があったため、正式な送電網への接続は予定より2、3日遅れとなった。

 EDFは今後、数週間をかけて規則に則った様々な試験を同炉で実施するとともに、30%、40%、50%と徐々に出力を上げていくことになる。50%に達した時点で一旦炉心の中性子束を計測するほか、80%のレベルでは突然送電網が遮断された場合などに対応する負荷喪失試験も実施する。

 EDFの見込みでは、同炉は夏のバカンス時期に入る前に定格出力に達するはずだが、この段階でようやく原子炉の自動停止を保証する制御棒関連の最終試験を行うことになるため、正式な営業運転の開始は夏の終わり頃になると考えている。


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